第283話 本当に6歳児?
ふっ! 完璧に決まったわ。
グランの隣に転移で顕現して。
前に一回会った時と同じく、クールでカッコよくて可憐で可愛い超絶美少女の謎のお姉さんの演出もバッチリ!!
「ふむ」
セラフィルもアリシアもポカンとしちゃって!
ふふん! まぁ、私に見惚れちゃうのは仕方ないな。
さぁ、我が魔性の美貌をその目に焼き付けるが良いっ!!
まっ、セラフィルとアリシアが現状を飲み込んで正気に戻るまでは待ってあげるとして。
とりあえず……
「レオン」
「ん? どうし……」
「座るから退いて」
「……」
獣魔王であるレオンが玉座に座ってるのに、六魔王の筆頭。
最強にして最凶の魔神であるこの私がレオンの隣で立ってるのは非常によろしく無い。
ただでさえ……非常に遺憾ながら、この可憐で儚すぎる外見のせいで弱く見られるのだ。
そんな事をすればセラフィルとアリシアの2人に私はレオンよりも弱いと思われかねない!
それに、立ってるのは面倒……げふん、げふん! じゃ無くて疲れるし。
何より! レオンが座ってるのに、この私がその隣でレオンの従者みたいに立たされるのは何か納得いかない。
「早く退いて」
「はぁ、あのなお嬢。
ここは獣王国ビスバロニス、俺の治める国で、この玉座は獣王である俺の椅子なんだけど……」
むっ、まぁレオンの言い分もわかる。
確かにレオンの治める国で、ここはレオンのお城なわけだし。
玉座を譲れって言われて、はいそうですかって譲るわけにはいかないか。
「う〜ん」
とは言え、立ちっぱなしはイヤだし。
さて、どうしたものか……
「わかった」
「納得してくれて良かったわ。
まぁ、お嬢の椅子も用意させ……」
「ふぅ〜。
ん? レオン、何か言った?」
「……いや、何でもねぇ」
玉座を私に譲るわけにはいかないんだったら、自分で用意すれば良い!
ふっふっふ〜! 流石のレオンも驚いてるみたいだな。
魔素を支配して操り、魔力で魔刀を作る事も自分の服を作る事もできる私にかかれば、玉座を創り出す事なんて容易い事なのだっ!!
今思ったけど、そもそもな話。
付与者の権能で世界にも干渉できるわけだし元素、原子に干渉して、その概念そのものを支配下に置けば……好きに何でも作れるんじゃね?
『ぴろん!
エクストラスキル〝元素支配〟〝原子支配〟を獲得しました!
続いてエクストラスキル〝元素支配〟〝原子支配〟がユニークスキル〝創造者〟へと統合進化しました!』
「……」
うわぁ、何かユニークスキルを獲得しちゃったんですけど。
てか、何気に天の声さん久しぶりに聞いたなぁ。
しかし、ユニークスキルってこんな簡単に獲得できて良いんだろうか?
ねぇ邪神、お前はそこんところどう思う?
『あはは、普通はそう簡単にユニークスキルなんて獲得できないよ。
悪魔ちゃんが特別なんだよ』
ふふんっ!
まぁ、このユニークスキル〝創造者〟の権能は後で確認するとして……
「さて」
今はこの2人の対応をしてあげるとしよう。
「お待たせ」
「いえ、私達も頭を整理するのに少し時間が必要でしたから」
「そう、なら良かった」
しっかし、この落ち着きよう。
とても6歳児とは思えないわ。
「お久しぶりです。
あのっ、本当に貴女が……」
アリシアはセラフィルに比べればまだ年相応って感じがするな。
まぁ、それでもアリシアも6歳児とは思えないけど。
「いかにも、私が六魔王が
「ええ、驚きました。
しかし、そう考えるとあの時の貴女の『5年前の事を調べると良い』と言う言葉にも納得できます」
納得できる? 何が??
「貴女が調べるように言った5年前、今からでは6年前。
当時アルタイル王国で行われた名前すら葬り去られた、悪魔と呼ばれたとある公爵令嬢の公開処刑」
「子供である私達ですら知っている事です。
ですが、調べるにつれて当時の報告書などには多くの矛盾が見られました」
「悪魔が出現するようになったのはそれ以降。
つまり、しがない悪魔だと名乗った貴女が本当にただのしがない悪魔ならば私達に6年前の公開処刑を示唆する事はできないはず」
「なのに貴女はあの時、私とフィル様に6年前の公開処刑の事を調べるように示唆しました。
例の公開処刑がきっかけとなり悪魔族と言う種族が誕生したという事を知っていたのは、あの数日後にその事を明かしたという魔神のみ」
「貴女が魔神からその事を聞いていたという線もありますが。
勝手に私達にその事を伝えるとは考えずらい、つまり貴女自身が魔神だという可能性が最も高い。
貴女が魔神だったとすると納得できますからね」
なにこの2人……セラフィルとアリシアが交互に。
これで2人とも6歳児とか詐欺じゃん。
「それで?
セラフィル第一王子とアリシア嬢、お前達は私に何を聞きたい?」
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