第278話 存分に愛でるがいいっ!!
「っ! こ、これは……」
魔王にして魔神、
覚悟はしていた。
事前にわかってた事だし、しっかりと覚悟を決めてたのに……
「クックック、まさかこの短時間でここまでとはな」
「本当にあの時の自分の英断を誉めてあげたいよ」
ドレスに、ワンピース、騎士みたいな正装だったりと服装は様々だけど。
ゆらゆらと揺れるふわっふわな尻尾、ピコピコと動く獣耳!
バンっ! っと勢いよく意気揚々と扉を開け放ち、愕然としているであろう私を見つめる10数名の美人と美少女!
レオンのお嫁さんと、娘さんの獣人達っ!!
お、落ち着け! 落ち着くんだ私っ!
ここで焦ってはいけない、今後のためにもここは真摯かつ紳士に努めなければならない。
とりあえず腕に抱いてる子猫ミーシャを撫でて精神を鎮めるなければ……
「ふぅ〜……」
よし、落ち着いた……むふっ、ぐふふ!
ふはぁっはっはっ! 素晴らしいっ! 天国は……我が楽園はここにあったのだっ!!
レオンにショウ、野郎共が苦笑いしながらなんか言っているけど気になりもしない。
この楽園を目の前にして、ちょっと動揺しちゃったけど。
寧ろこの光景を目の当たりにして普通にしていられるわけがない!!
「こほん」
真摯かつ紳士に!
優雅で堂々と……男装の麗人を意識して。
「お嬢さん方、ようこそ私の城へ」
ふっ! どうよ?
この人を安心させて、たらし込む柔らかな微笑み!
経験豊富なご夫人方はまだしも、ご令嬢達なら頬を染めるだろうこの優雅でカッコいい仕草は!?
我ながら自分の才能が恐ろしいわ。
私がその気になれば、世界中のご令嬢達を魅了する事すら容易なんじゃない?
『えっと、これはつっこんだ方がいいのかな?
表情は微動だなして無いし、何より悪魔ちゃんは悪魔だからね。
人間を魅了する事なんて簡単にできるでしょ?』
……さてと、レオン達を招待しての昼食会も無事に終わったし。
その間にセシリアに頼んで獣王国ビスバロニスの王城からレオンのお嫁さんと娘さん達を転移でこっちに連れてきてもらってたわけだけど。
いきなりセシリアが出向いて、転移で連れてきても拉致騒ぎになる。
だから最初はレオンと、レオンの側近にしてお嫁さんでもあるピアとレナの3人について行ってもらって説明済みだし……
「レオンから説明は受けていると思いますが。
私がレフィー、この悪魔王国の王です」
根回しは完璧!
準備は万端!
てな訳で……モフモフパラダイス! いっただきまぁ〜すっ!!
「っ!?」
な、何だと!?
「いやぁ〜!」
「なんて可愛らしいのっ!?」
「あら、子猫ちゃんを抱っこして偉いわね」
「か、可愛い……!」
この私のルパンダイブを阻止するなんてっ!!
『あはは、悪魔ちゃんが逆にモフられてるじゃん』
むぅ……まさか、この私が遅れをとるとは。
流石は獣魔王たるレオンのお嫁さんに娘さん達と言う事か。
まぁ、でも……
「ふふん!」
褒められるのは悪い気はしない。
もっと大勢いたら萎縮しちゃうけど、このくらいの人数になら問題ないし。
むふふっ! たまにはこう言うのも悪く無い。
さぁ! 麗しきモフモフ美女に、モフモフ美少女達よ! 存分に我を愛でるが良いっ!!
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