第214話 女神にして魔神、降臨!!
「っ! 女神アナスタシア様!!」
「うわぁ……」
いいと大人が感涙を流して天を仰ぎながら跪いたよ……
まぁ、クリスは女神が使した御使だからアバズレ聖女の事を盲信してるわけだし。
狂信者だからわからなくも無いけど、流石にこの光景を見るとちょっとドン引きだわ。
「ふむ」
まぁ、クリスの事はどうでも良いから録画するだけでひとまず置いておくとして。
女神アナスタシア……この世界を管理する神の
実力は竜神であるファルニクスを含めて数名存在する管理者の中でも上位らしいけど……
空間を自身の
人の領域を越えてるとは言え、超越者へと至った神なら誰でもできるし。
う〜ん、流石にコレだけじゃあアナスタシアの実力は読めないな。
『私の敬虔な信者たる聖者クリス。
貴方に神託を下します』
「女神アナスタシア様より直接神託をいただけるなど、この身に余る光栄!!
何なりと、この私にお申し付け下さい!」
神託かぁ。
そろそろ何らかのアクションがあると思ってたけど……女神アナスタシア、やっぱり動き出したか。
ふふふ! 面白くなってきた!!
アナスタシアの実力が読めないと言っても、私がこの場所にいる事には気付いてないみたいだし。
少なくとも邪神よりは弱いのは確実!
ウザイけど邪神は自称、最高位の神の
認めるのは癪だけど……邪神はめちゃくちゃ強い。
『ふふふ、やっと悪魔ちゃんも私の凄さをわかってくれたみたいだね』
黙ってろ。
アナスタシアに気付かれたらどうすんの?
『あはは、悪魔ちゃんも面白い事を言うね。
彼女程度に私の隠蔽を破れるわけ無いでしょ?』
ウ、ウザい! 本当にムカつくわー。
しかも、これで実力だけはあるからタチが悪い。
『まっ、私は邪神だからね』
はいはい、そうだねー。
とにかく! アナスタシアの実力が邪神と同等程ならちょっと……本当にちょっとだけヤバかったかもしれないけど。
ふっふっふ!
今や私はこの世界の管理者の中でも戦闘能力で言えば最強と名高いらしいファルニクスとすら互角に渡り合えるのだ!
例えこの世界の主神の地位に立つ女神アナスタシアが相手だとしても問題はない。
ふふふ、私の楽しい愉しい
『彼女を…… 人としての正しい道を外れ、この世の全てを憎悪する魔性となってしまった哀れな魂を。
始まりの悪魔となってしまった彼女を……──』
「ア、アナスタシア様?」
ザァー!
女神アナスタシアの神託にノイズが走る。
『っ! こ、これは……』
ふっふっふ〜ん!
ちょっとアナスタシアの神託に無理やり介入したんだけど……驚いてる、驚いてる!!
『ふふふ』
『なっ!? あ、貴女はまさか!』
執務室の窓枠の上からジッと。
空間を超えて自分自身を見つめる麗しき白ネコ様の視線にやぁっと気が付いたアナスタシアが動揺してるけど気にしない!!
『私の神託に介入するなんてっ!!』
『私の邪魔は誰にも赦さない』
ブッ──っとアナスタシアの神託をブッチしてっと。
「アナスタシア様!? こ、これは一体何が……」
混乱するクリスを綺麗にスルーして、聖都デサントの上空に転移!
「ふぅ〜」
麗しき白ネコ様の姿から本来の姿に戻って、今も天から焦りながらこの場所を覗いてるアナスタシアに向かってニヤリ!
「ふふふ……」
この場所。
聖都デサントの背後に聳え立つ霊峰ルミエルはかつてアナスタシアが降臨したとされる地。
「余興にはちょうど良い」
これ以上、不必要な干渉ができないようにアナスタシアので満たされたこの執務室を。
聖都デサントの全域を! そして……霊峰ルミエルを!!
「愚かで醜い人間共よ。
刮目せよ!!」
純白の翼をバサァっと広げて、一般人にしか見えないように完璧に押さえ込んでいた
霊峰ルミエルを含む聖都デサントの全てを、私の
魔素を解放した影響で霊峰ルミエルを覆っていた大吹雪が消し飛び。
夜が明けて空が若干白み始めた程度の淡い陽光の反射を受けて、眩い輝きを放つ私の魔素が顕になった霊峰ルミエルに降り注ぐ中──
「私こそが……」
さぁ、恐怖しろ! 畏怖しろ!
そして、私の前にひれ伏すが良い!!
「女神にして、全ての魔を統べる魔神だ」
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