第164話 付与者の権能!!

 敵20万もの大軍勢に対するは!

 私と眷属である皆んな、そして一応同盟国って事でアクムス王国からエレナが一人。


 それに加えてノワール達、三柱の悪魔公が率いる3つの悪魔師団と〝竜牙〟〝血鬼〟〝不死〟〝鬼兵〟の四大軍団の精鋭達。

 総勢で約1000名……というのはさておきっ!


 こっちに向かって魔法を放とうと幾多もの魔法陣が展開される中、両腕を広げて開戦を告げる……ふっ、完璧に決まったな!


「ふっふっふ〜!」


 我ながら今のはカッコいいわ!

 何か他党を組んで向かってくる人類を迎え撃つ魔王様って感じで! もう自画自賛しちゃうわー!!


「あの……レフィー様。

 流石にあの数の大魔法はマズイ気がするのですが……」


「ふむ」


 展開されてる魔法陣は……100近くはあるかな?

 うん、絶景かな! 流石は20万もの大軍勢なだけはある。

 けど、まぁ……うん。


 エレナはマズイ気がするって言ってるけど。

 ぶっちゃけ、あの程度の魔法なんて幾ら放たれても何の問題も無い。


 今回連れてきてる1000名のうち100名は人間共が悪魔について下級悪魔の事しか知らないから参加してもらってる下級悪魔達なわけだけど。


 皆んな下級悪魔の中では上位の実力者だし。

 いかに魔法陣を用いた大魔法と言っても、所詮はこの中では一番弱い下級悪魔の皆んなでも普通に対処できる程度なのだ!


 しかし……しかしだ!

 全くもって問題ないとは言え、あの数の大魔法が発動されたら、この素晴らしい草原が悲惨な状況になる事は火を見るよりも明らか!!


「確かにマズイ」


 こんなにもお昼寝したら気持ちよさそうな草原が!

 ちょっと湖でも作って、その傍に広々としたログハウスでも建てるつもりなのに!


「別荘を建てる予定の草原が焼け野原……流石に許容できない」


「別荘……ですか?」


「ん、別荘」


「そ、そうですか。

 そうですよね……レフィー様や皆様にとっては、あの程度の魔法なんて気にする程のことでは無いですよね」


 何故かエレナに苦笑いされたけど……まぁいいか。


「シルヴィア」


「かしこまりました。

 最適な別荘の建築ポイントを精査しておきます」


「ん、任せた」


 別荘の事はシルヴィアに丸投げしたし、これで良いとして。

 ふふふ……愚かな人間風情が、私の別荘地を焼け野原にしようなんていい度胸じゃん!


「身の程を教えてやる」


「しかし、レフィー様はお姿を見られるわけには……」


「問題無い。

 〝付与者〟」


「レ、レフィー様? っ…… これはっ!?」


 ふっふっふ〜ん! どうだ驚いたか!!

 まぁ、エレナに自慢して褒めて貰うのは後にして、とりあえず……


「コレはもう私のモノ」


 今まさに魔法が放たれようとしている戦場に……ついさっき私のモノにするって決めた草原に!

 魔素を広げ、侵食して、私の魔素で空間を満たして! 私のモノとして書き換えて支配する!!


 一瞬で草原を走り抜けた魔素の衝撃波で人間共の魔法陣も砕け散ったし。

 あとは見られないようにかけてた不可視の結界を解除してっと!


「えっ……」


 ん? あぁ、アレは確かガスターの教え子の魔法使いちゃんじゃん。

 唖然と目を見開いちゃって。


 ふっ、ふふふ、ふはっはっは!!

 さぁ! 刮目せよ!! 驚愕せよ!!

 そしてバカで愚かな人間共よ……私の前に平伏すが良いっ!!


「ドラゴン……」


 巨大ながらもしなやかで軽やかな流線型の身体をした、美しき一体の竜が翼をゆったりとはためかせて地上に舞い降りる。

 優雅に戦場のど真ん中に降り立ち、純白の鱗にふわっふわなモフ毛を靡かせるは何を隠そうこの私!!


 ふっふっふ〜!

 これぞ! 超越者に……神である魔神へと至った事で可能になった私のユニークスキル〝付与者〟の新たな権能!!


「愚かな人間共よ。

 魔神たる私のモノに、私が支配する支配領域を荒らそうとした罪を知るがいい」


 私は眷属である皆んなの種族因子を付与する事で、皆んなと同じ種族になる事ができるのだっ!!

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