第143話 私は魔神……正真正銘の神様だ!
いやぁ、積年の恨みと怨みが募った復讐対象の一人の顔をこうして踏みつけて、無様に強制的に土下座させれたし。
私に向かって恭しく跪く
本当ならガスターの顔面を思いっきり蹴り上げて、鼻の骨をへし折ったり、前歯をバキバキにしてやりたい所だけど。
今はまだこの間抜けな顔をぐりぐり踏み躙るだけにしてあげちゃう!!
「ぐっ……下位? 高位悪魔? どういう事だ?」
う〜ん、ぐりぐり踏み躙られてるのにその事には反応無しか。
面白くないな……あっ! もしかしてコイツってそういうのが好きなヤツなのかな?
世間では魔王を倒して世界を救った救世の六英雄とか呼ばれてるのに、その本性は私みたいな超絶美少女に踏まれて悦ぶドM変態とか……
うわぁ、流石にそれは引くわー。
「……」
『うわぁ、凄いゴミを見るような目になっちゃってるよ?』
いや、うん。
まぁ、性癖とか趣味とかは人それぞれだろうし。
別にコイツがドMな変態クソ野郎だったとしても私の関与する所じゃ無いんだけど……蔑んだ目を向けちゃうのは仕方ないと思う。
まっ、今はガスターの癖なんてどうでもいい!
ふっふっふ、そんな事より! 冒険王とか救世の六英雄とか呼ばれて図に乗ってるだけの愚かで無知なガスター君!
非常に気分が良いから、特別にこの私からちょっとだけ
「悪魔には階級が存在する」
「階級、だと?」
如何にも! さぁ、しっかりと聞いて驚くがいい!!
「下から順に、
そして!
「それらの悪魔の上に魔界の覇者である
ふっ、決まった!
「悪魔公……?」
……あ、あれ? ここはもっと『な、何だって』って感じになる所じゃ無いの?
もっと目を見開いて驚愕するシーンじゃ無いのっ!?
くっ、こうなったら仕方ない。
面倒く……こほん、敵にわざわざ情報を与えてあげる必要もないし。
基本的な階級の説明だけにしようと思ってたけど、もうちょっと詳しく説明してやる!!
「その悪魔公の中にも階級……爵位が存在し、人間の貴族と同じく下から順に騎士爵・男爵・子爵・伯爵・侯爵・公爵と続き。
そのさらに上位に王位・帝位の位を持つ、まさしく魔界の支配者と言える大悪魔が君臨する」
まぁ尤も、今現在その領域に至ってるのは私に次ぐ古き大悪魔。
魔界の女帝にして、私の眷属たるシルヴィアだけだけど。
「そして、さっきも言ったように人の姿を持つのは
まぁ、中には
まぁ、細かいところは割愛でいいや。
「もう、わかった?」
「そ、そんな事があり得るはずが……」
「この大陸に姿を表す悪魔はその殆どが
つまり、お前達が危険度Aランク、厄災級の魔物だとしているこの子みたいな悪魔は全てが下位の存在」
……うん、今自分で言って思い出したけど、完全にこの子の事を蚊帳の外にしちゃってたわ。
「もう帰っていいよ」
「ショウチ、イタシマシタ」
これでよし!
『いや、勝手に召喚してそれはちょっと……ねぇ?』
うぅ、だって仕方ないじゃん!
確かに召喚はしたけど……もう要件は済んだし、特にやってもらう事もない。
かと言って、いつまでも跪かせた状態で放置するのも悪い……
「くっ! いい加減そこを退けっ!!」
「わっ」
あぁ……邪神! お前のせいで逃しちゃったじゃんか!!
『そんな理不尽な。
今のは私のせいじゃ無くて、完全に油断してた悪魔ちゃんが悪いと思うよ?』
むぅ、せっかくガスターの肩を踏みつけて気分良かったのにぃー!
「たく、いつまでも人様の頭を踏みやがって。
それでお前の話を信じるとして、人間の姿をしているお前の階級は何だ?
その悪魔公とやらの王位か帝位ってやつか?」
何か、お前みたいな小娘が何を言ってる、みたいな含みを感じるんだけど……
「はっ! お前みたいなちんちくりんがほざいてんじゃねぇよ」
ち、ちんちくりん……あ、あはは……落ち着け落ち着け、この程度の挑発になるほど私は子供じゃない。
ふぅ〜、そこまで言うのなら教えてやる! いや、最初に名乗ったけども!!
とにかく! 今度こそ私の凄さを思い知るがいいわ!!
さぁ、恐怖しろ! 驚嘆しろ! 跪いて無様にひれ伏せ!
この私をち、ちんちくりん呼ばわりした罪を! 私の怒りを思い知れっ!!
「私は悪魔の支配者階級たる悪魔公、その頂点に立つ帝位よりもさらに上。
全ての悪魔の頂点に君臨する悪魔の、全ての魔を司る
超越者に至った正真正銘の神だ」
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