第73話 そして竜王は……
決まったぁー!
まぁ、眷属になれって言っても、もうすでにグランは私の眷属に属してるんだけど。
ふふふ、ダンジョンの持つ権能の1つである眷属召喚。
この原理を付与で干渉して解析した結果……今の私は
まぁ、やってる事自体は結構簡単で、魔素から肉体を構築してそこに魂を付与してるだけ。
ふっ、この天才にかかれば人体錬成なんて容易い事!
まぁこの世界には真理の扉とかは存在しないけども……私は◯の錬金術師を超えたっ!!
「「……」」
むふふ、ミリアとグランは驚きの余り声も出ないようだ!
『まぁ、気持ちはわかるかな。
生命の創造なんて、もはや神と言っても過言じゃないしね』
「まぁ、ご主人様ですしね」
「ええ、流石はレフィーお嬢様です。
ふふふ、神の御技ですら児戯に等しい程度の事に過ぎないなんて」
あ、あれ? ただグランの肉体と魂を使ってグランを蘇生しただけだよ?
聞いた話によれば神聖魔法を極めれば蘇生魔法もあるって聞いたし、皆んなちょっと大袈裟だなぁ。
『悪魔ちゃん……死者の蘇生と生命の創造は似て非なるもの、全く違うからね?
蘇生魔法は精神体を構築する霊子に干渉して離れかけている魂を肉体に繋ぎとめて肉体を回復させてる魔法。
つまり肉体から魂が離れてしまえば蘇生は不可能なんだよ』
へぇ、そうなんだ。
でもまぁ、やってる事自体は大した差は無いわけだし、特別騒ぐような事じゃ無い。
今はそんな事よりもグランが私の眷属として復活した事の方が遥かに重要だし。
「この声は……それに何故我はまだ生きているのだ?
我は確かにレフィー殿の手で……」
「グランももう邪神の声が聞こえるはず」
『どうも初めまして。
邪神(笑)です』
「つまりは、そう言う事」
邪神の声が聞こえるなら、今の現状はある程度理解できるはず。
すなわち!
「レフィー殿が我を蘇生したと?」
「ん!」
いやぁ、喋らなくても勝手に察してくれて楽だわ。
うんうん、グランはシルヴィアと同様にハイスペックな素質があると見たっ!
「確かにグランの望みは聞き届けた。
けど、死んだ程度で私は諦めない」
そもそも、死ぬから眷属になれないなんて許さない。
死んだ程度で私の誘いを断れるも思っていたのなら、
「欲しいと思ったら絶対に手に入れる」
「クックック、レフィー殿は強欲だ」
「ふふ、私は大罪を象徴する悪魔。
強欲なのはあたりまえ」
強欲は無いけど、暴食の名を冠するユニークスキルなら獲得してるし、称号にもハッキリと大罪ってあるし。
とにかく!
「グランの願いは聞いた。
今度はグランが私の望みを叶える番」
「……我に選択肢は存在しないようだ。
クックック、どうやら我は取引してはならない相手と取引してしまったらしい」
選択肢が無いとは失礼な。
まぁ、確かに既にグランは私の眷属に属してるわけだけども……まだグランは私の誘いに頷いてないし。
本人が嫌だって言うなら、魂の繋がりを切る事も……多分できるわけだし。
あれ? ヤバイ、そう考えると緊張してきた。
私としては名実ともに本人が納得した上で眷属になって欲しいけど……こ、断られたらどうしよう?
不安だ……不安だけど、もう引くに引けないっ!
「グラン、私の眷属となれ」
ポーカーフェイス、ポーカーフェイス。
今こそ躍動しろ! 死滅した私の表情筋っ!!
「我に……私に否応があるハズもありません。
一度お誘いを断った私を尚もレフィー様が私を眷属にと望まれるのならば、喜んでレフィー様に仕えましょう」
優雅に。
それはもう長年、主君に仕える忠臣かのような優雅な所作でグランが跪き頭を垂れた。
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