第2章 勢力拡大編
第18話 弱くない
かつて紀元前数百年の古代中国。
俗に言う春秋・戦国時代の頃に活躍した兵家、孫子は言った。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず……と。
ラノベとかに結構出てくるワードだから、気になって調べたっけ……懐かしい。
孫子は本当の名前じゃないとか何とかも書いてあったけど、そんな事今は別にどうでもいい。
先人が遺した格言、ゲームやラノベの知識、化学などの様々な学問。
暇で退屈極まりない、病院のベッド生活で培った知識を存分に活用してやるっ!!
「とりあえず、鑑定っ!」
さて、どれ程のものか……
名称 : 鑑定
解析スキルの上位にあたるエクストラスキル。
解析スキルよりも詳細に、様々なモノを鑑定することができる。
う〜ん。
ぶっちゃけ、これだけじゃあ何が変わったのかがわからない。
仕方ない、こうなったら手当たり次第に……次はエクストラスキル自体を鑑定してみるか。
エクストラスキル
通常のスキルより上位に位置するスキルの総称。
通常スキルと同様に、熟練値が上昇する事で性能がアップする。
更なる進化を遂げるかは、保有者の素質に依存する。
ほほう。
つまり、テンプレなユニークとかに至るかは私次第だと。
まぁこれは初耳だけど、それ以外は既に知ってる知識と相違なしか。
通常のスキルの上位に位置するエクストラスキル。
世間一般で強者と呼ばれる者や、特殊な地位に就いている者は大抵が持っているらしいスキル。
公爵令嬢として知識では知ってたけど、まさか私自身が身に付ける事になるとはね……
「まぁ、鑑定だけど」
Sランク冒険者とかが持ってるだろうやつみたいに、もっと強いスキルだったらよかったんだけどなぁ。
まっ、こればっかりは仕方ないか。
「次は……鑑定っ!」
名前:なし
加護:なし
眷属:シルヴィア
う〜ん、これって固定できそうなんだよね。
ステータスってスキルになってくれたら、鑑定と区別できてわかりやすいんだけど……
『ぴろん!
特殊スキル・ステータスを獲得しました!』
「よし!」
『っ!?』
思った通り、ステータスのスキルが獲得できた。
これは流石の邪神も想定外だったみたいだな。
まぁぶっちゃけ、私もここまで簡単に獲得できるとは思ってなかったけど……これでわかった。
恐らく私の理論は間違っていない。
「ステータス」
ステータス
名前:なし
種族:
加護:なし
称号:「原初の悪魔」「神の敵対者」
眷属:シルヴィア
・ユニークスキル
「付与者」
・固有スキル
「魔力体」「魂食」「高速再生」
・エクストラスキル
「鑑定」
・特殊スキル
「ステータス」
・スキル
「魔力制御LV1」「魔力操作LV1」
・耐性
「魔法攻撃耐性」「物理攻撃耐性」「精神攻撃耐性」
「やっぱり」
私のステータスにある、このユニークスキル。
私の理論……地球の記憶を思い出してから、ずっと思っていた事は間違ってなかった。
殺される以前も獲得していたスキルである付与。
味方に付与できるバフは有っても無くてもそう変わらず、敵へのデバフも闇魔法に劣る。
世間では付与はハズレスキルってのが常識だったけど……
「ふふふ……付与は、弱くない」
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