嫌われ者

宵闇(ヨイヤミ)

第1話

あぁ、面倒だな。

私はとある人に思うところがありました。

その人ときたら、私に相談するのは間違っていると、少し考えれば誰でも分かるのに相談してきて……正直それを本人に言っても無駄だと諦めていました。それにその人自身も気付いていたので、諦めざるを得ませんでした。

しかしある日、本人に見せることが出来ない物を見られてしまいました。ですがそれを私はチャンスだと思ったのです。


今それを大人しく見せれば彼はきっと怒り、私のことを嫌ってくれる。ならもう全部見せてしまえばいいんじゃないだろうか?


その考えが頭を過り、私は素直にそれを見せました。すると案の定、彼は機嫌を損ねた様子を見せてきました。


嫌って貰えた。これで私が彼に対して思っている事は消え、今後相談してくることも無くなる。


しかし今思うと、そう考えていた私が浅はかだったのかも知れません。

私は彼から許される気などさらさらありません。自分から嫌われにいったのに、許されてしまえば私がそうした意味が無くなってしまう。

ですが彼はそんなことなど知りもしないから、こちらを許そうと条件を提示するのです。

その条件は聞けば単純ですが難しいことでした。正直そんな事やる気はなかった。が、どうやらやらざるを得ないらしい。

私はこれを一部の友人に相談した。

すると皆に頭を抱えられた。

最後の一人、どうしても相談することが出来ないと思っていた人物にさえも相談をした。

するとこれがすんなり解決しそうだ。

色々話した結果、解決への道が出来たのだ。

私はその友人に感謝し、今後どうなるのかを楽しみにしている。


何も知らぬ彼が今後どうするのか。

彼は私が自ら嫌われにいったことを知った場合、一体どうするのか。


正直私は彼とまだ“友達”をやっていてもいいと思う。しかしそれが出来るかは彼次第だ。







貴方がどんなに酷い人であろうと、私はどうやら嫌いにはなれないらしい。心の奥底に、最初に抱いた想いがどうしても消えてくれないようだ。


だが今更戻ってきても私の対応はあの頃とは少し変わるだろう。想いの増減も貴方次第だ。


酷い面を持つも何処か愛おしいと感じてしまう貴方がこれからどうなるのか、私は見守らせていただきます。



本心という中身を知らず、現状という外見のみを見ていては気付けない事が多い。





無知とは恐ろしいものだ。

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嫌われ者 宵闇(ヨイヤミ) @zero1121

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