探検隊ルイーザと不思議な物語
旅立マス
プロローグ 夢と現実の間で
「夢」について、どう思うだろうか。
目標や野望の話ではない。
寝ている時に見る――あの夢のことだ。
夢を見る時、誰もが一度は考えたことがあるだろう。
「もし、この夢が現実になったら……」と。
自分も例外ではない。
難しい試験に合格する。好きな人に告白して、恋人同士になる。
そんな現実的な夢を見たり、
あるいは――
魔法を使う。空を飛ぶ。怪物と戦う。
そんな非現実的な夢を見たりもする。
考え出すとキリがないが、夢とはそういうものだ。
時に現実的で、時に奇想天外で。
夢に見たことが現実になる。人はそれを「正夢」と呼ぶ。
もちろん、正夢なんて頻繁に起こるものではない。
でも、もし一度でも正夢が訪れるなら?
そんな期待を抱くことはある。
魔法が存在する世界を冒険したり、実際に自分が魔法を使ったり――
そんな夢みたいな出来事が本当に起きたら、どんなに楽しいだろう。
だが、現実は違う。
夢は夢。幻想は幻想。それが自分の生きる世界のルールだ。
魔法も異世界も、ただの空想でしかない。
それを想像の中で楽しむだけで、現実との境界を割り切っている。
だからこそ、夢と現実は別物だと信じている。
……いや、信じていたのだ。
ところで、どうしてこんな話をしているのか。
それは、今目の前にある現実から目を逸らしたいからだ。
「これは夢だ」と、そう思いたい。
だけど、時には受け入れざるを得ない現実もある。
そう――今、目の前にあるこの現実を。
いつも見ていた夢の中でしか存在しないと思っていた世界。
魔法、異世界、冒険――
そして、今。
自分は異世界にいるのだ。
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