第2話 温もり

 今日の貴方様はとっても嬉しそう。

 入念に調べて、画面とにらめっこ。


 こんどわたくしをお連れになるディナーの予約。


 瑪瑙のような暖かな雰囲気のビストロ。

 けれど、そこには貴方様の想いは乗せ切れない。


 見当違いでも指先は軽くステップを。


 スターリングシルバーのような理知的なモダンレストラン。

 けれど、そこでは貴方様の情熱は熱過ぎる。

 同じ理由でプラチナもダメですわね。


 僅かの違いでも落胆は無く、次々とページのワルツ。


 ピンクゴールドに輝く伝統的なレストラン。

 そうね、そこは貴方様に相応しい。

 なにより、わたくしの紅も映えますわ。



 さあ、わたくしを御覧になって。

 そう、わたくしを。

 貴方様に選ばれる、貴方様の一番。


 それが、わたくしのたった一つの望み——

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