選択科目
授業の科目は、国語、算数、歴史、世界情勢、剣術、体術、基礎魔法講義、個別魔法講義、政治学、法律学など多岐に渡っていた。
ラ・カームには特に後に与えられる王家の剣「ソード・オブ・ラー」を使いこなしてもらうために、剣術の時間に重きを置かれた。
ラァとラナに関しては守護結界のために水、土、風の魔法を教えることになった。
ただし、ソード・オブ・ラーは国王以外に使える者はいないし、守護結界においては歴史の伝承にすぎずどのような教育を施せばいいかについては魔術院でも意見が分かれていが、結果として伝承に一番近い水魔法の授業に重きが置かれた。
教師の選定もよかったのだろうが、三人はどの科目についても熱心に勉強していた。
初めの三年間が終わる頃には一般の初等科教育は既に終わっていた。
四年目の授業についてはラ・カームたちの自主性も鑑みて科目選択を増やし、また夏には皇子たちからすれば、初めてとなる宮殿の外での夏季合宿が待っていた。
「ラ・カームはなんの授業選ぶ?」ラァが聞いた。
「僕は政治学を学びたいかな、ラナはどうするの?」
「え・・・わたしは、ラ・カームと一緒でいいよ」
「ラナ、それじゃ選択科目の意味ないじゃん」
「え・・そうかな」
「ラナは一緒でいいよ」
「あ・・うん、ありがとう」
「あーもう、ラ・カームは甘えさせすぎ」ラァはすこし拗ねたように言った。
・・・私だってラ・カームと同じがいいに決まっているんだから。
結局選択科目については三人とも全く同じ履修になった。
「ラァも同じ科目になったじゃん」とラ・カーム
「ラ・カームとラナ二人だけにしたらラナが危ないでしょ」
「え・・・・わたしはラ・カームになら、なにされてもいいよ」
「ラナぁ言っている意味わかっているの?」あきれ顔をしながらラァが言った。
「あ・・・えと、うん」顔を真っ赤にして下を向いている。
「とにかく、三人一緒になったんだから、二人とも落ち着こう」
「ラ・カームはいつもラナの味方なのね」
「そんなことないよ、ラァ」
「言い過ぎちゃったかな、ごめんなさい」
「え・・・とラァは悪くないよ、わたしがごめんなさい」
「とにかく履修届を先生のところに持っていこう」ラ・カームが話をまとめた。
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