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バランスドールは1軸の平衡だが絶対場の平衡の破れのばあいは全方向でなければならないので軸で見れば放射対称軸のバランスとゆうことになる.
彼はここで心をまっすぐにして まったくかたよりのない心になって この問いを心において耳をすますようにした.
答えはひらめくようにあらわれた.
球と円は幾何学的に見ればその性質はなんら変わることがないことが知られている.
これは球の放射対称も円の平面対称もなんらかわないとおきかえてもなりたつ.
彼の心のなかにそんな順序で概念がうかびあがり やがて円をめぐるような動きを感じた.
全方向につりあい バランスをとるとき その動きは円をめぐるように動く.
ことばをかえると円を描くようにめぐるものは全方向につりあいをとっている.
とゆうことになる.
ヨシタカは宇宙論にたちいろうかどうかすこしまよった.
いくつかのアプローチがうかんでいた.
粒子の階層からなら素粒子物理学の否定はさけられない.
空間論なら重力の質量由来の懐疑とあらたな説を展開したいがどちらにしてもまだすこしまとめきれていなかった.
「おなかがすいたな」
そろそろ午後7時にちかい.
ヨシタカはオーガニックVIPで食事をとろうとしてやってきた.
「先輩!」ヨシタカをみてマドカが声をかけた
「こっちでいしょに食べませんか?」
「ずいぶんゆっくりだね4人とも」
「わたしたちいまスタジオのほうがおおくて」
「先輩 ここどうぞ カオリのとなりに」
「いいの?」
「カオリ いいよね」
「え!! はい どうぞ」
ヨシタカはカオリのとなりにすわると
「みんな なにをたのんだの?」
「ディナーセットです」
「のみものがTテイストでオーガニッククリームシチューに五色ブレンドパンのトーストにデザートがチョコバナナパフェです」
「わたしもおなじものにしょう」
ヨシタカはメニュータブレットのディナーセットの写真をタップしながらいった.
Tテイストはコーラを駆逐したオーガニックビバリッジの世界的にヒットした健康清涼飲料でヨシカタが考えたものだった.
成分は お酢と蜂蜜に柚子の果汁で体に害のある炭酸や砂糖は使っておらず お酢の生理活性効果と からだに有益な糖である蜂蜜とビタミンCや琥珀酸をおおく含む柚子の果汁とが絶妙のバランスで不動の世界的な飲料となった.
オーガニッククリームシチューはビーフ ポーク チキンの3種類あって具の肉にカボチャ サツマイモ ジャガイモ ニンジン タマネギのみじん切りがすべて焼いたかたちではいっていて味付けは白味噌にはちみつで青のり すりゴマ ピーナッツ粉が少々くわえてあるオリジナルなシチューだった.
五色ブレンドパンはパン生地に青のり きな粉 スリゴマ カボチャ粉 ココアを練りこんで焼いたものだ.
チョコバナナパフェはオーガニックオリジナルチョコクリームに切りバナナにうるち米をつかって焼いたウエハスをそえたもの.
チョコクリームはオーガニックニックオリジナルチョコクリーム粉がオーガニック食品から発売されているヒット商品で家庭用だけでなく業務用が定番として売れていた.
小麦粉120gに黒砂糖100gきな粉5gココア20g青のり少々の比でよく混ぜたかたちで販売されている.
これを300CCていどのお湯でとき かきまぜながら5分ほど炊けばできあがる.
レストランオーガニックのオリジナル料理のすべてはヨシカタがひとりで考えたものだった.
ディナーセットを食べながら
「わたしたちガールズバンドを組もうって話しているんです」マドカがいった.
「パートは?」ヨシタカがきく.
「ヒカリがギターでサヤカがベース カオリがピアノでわたしがドラムです」とマドカがこたえた.
「バンドの名前はきまってるの?」
「バイオレッツです」
「どうしてバイオレッツに」
「みんなムラサキがすきなのと あとはなんとなくです」
「先輩ディスコにつれていってくれませんか」
「サヤカ!なに 突然いってるの」マドカがおどろきながらいった.
「だってわたしたちダンスのレッスンしてるんだから実践的なトレーニングになるでしょ ブギマジックスペイスにいってみたいし」
「わたしもいったことない」ヨシタカがいった.
「わたしたちはまだ13ですけど先輩がいればこころ強いし ヒカリからもたのんでよ」
「サヤカはそんなにディスコにいきたの」ヒカリがいった.
「レッスンはきまった振りだけどディスコは即興のパフォーマンスだから応用練習になるでしょ」
「なるほどね お兄さんいっしょにいってくれない」
「いっしょにって」
「先輩は教室ではなにをしてるんですか?」サヤカが聞いた.
「課題はもうないから大学までは自由研究だけど大学からはミエアガタのプラント実習でトキオにいることは少なくなる」
「それなら時間はとれますよね」
「そうだね」
「あした学校が終わったらスタジオに来てくれませんか スタジオからいっしょにディスコにいきましょう」
「そう それじゃスタジオで」
「WahO! 先輩 ありがとう!」4人が口をそろえていった.
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