-07.役割分担
みんなお腹が空いている状態みたいだ。
夜中の0時までならバーガーショップも開いているだろうから、俺としおりと美香と義男でハンバーガーを大量に買いに出かけた。
一人3個ずつぐらいは食べそうだよね。ポテトとナゲットも買っておこう。
ソフトクリームもあるな。時間経過がないアイテムボックスがあるからこれも人数分買っておこう。
今総勢19人か。
俺は初めに大量のバーガーを受け取って先に店を出た。
物陰で待機して、次から次に持ってくるジュースやハンバーガーなどをアイテムボックスにしまっておいた。ソフトクリームはカップに入れてもらっている。
俺たちは買い物を済ませて会社に戻った。
時間はちょうど0時ごろになっている。
俺たちが戻ると腹をすかせた人たちが群れを成してバーガーに飛びついた。
一人ずつ渡すと身の危険を感じるために会議机に一斉に置いた。
全員が食べ終わったころに俺は話しだした。
「今日で一応は学習は終わりです。これから学習したいことがあればまた教えてください。本やDVDなんかを買って学習するようにします。それと今日思いついて皆さんに身体強化と感覚強化、アイテムボックス(小)と運気上昇を学習してもらいました。どうですか?使えそうですか?」
と俺が聞くとみんなびっくりしていた。
「スキルも学習できたんだ。」
「うんやってみたらできたよ。でも俺の持っているものよりは性能が大分落ちるみたいだけどね。それでもかなり便利だからみんな使いこなすようにしてね。男は背が伸びて筋肉質になるだろうし、女はグラマーになるんじゃない?試したのが今回初めてだからわからないけどね。」
俺がそう言うと全員が喜びを爆発させた。
「毎朝、太極拳なんかで体を鍛えるようにして、ランニングなんかもいいかもね。あくまでその人の基礎体力を倍加させるというか底上げさせるものだと思うんで、鍛えれば鍛えるほど効果は上がると思うよ。」
と話しておいた。
「さてみんな今日はこれで寝ましょう。今日のそれぞれの成果は明日聞かせてもらいますね。あ、それからこのパソコン、タブレット、スマホはお母さん方と美香のものなんでそれぞれ一つずつ持って行って設定してください。イニシャライズやセットアップはそれぞれすでに学んでいるのでわかると思います。」
そう言って俺はそれらを会議机に出してお母さん方に渡した。
それぞれが自分がさっきまで寝ていたベッドに戻ったり、お風呂に入る人もいた。
俺は会議机のところで、各パソコンにインストールしている以外のソフトを会社用で購入するように手続きしていた。
20セットぐらい要るよな。
絵描きソフトと画像処理ソフト、動画編集ソフトはアドベ社のものを購入した。
文書作成や表計算ソフトは元からインストールされていたので、そのほかの基本ソフトも購入しインストールしていく。
それぞれインストール手順とシリアル番号表をホワイトボードに書いていった。
明日はみんなにこれをインストールしておいてもらおう。
それとこれはしおりたちと相談しなきゃいけないけど、サッカー部をやめようと考えている。体力づくりなら駅前のスポーツクラブを会社で契約して、それぞれがいつでも通えるようにしておけばいいだろう。
サッカーでもバスケットでも今の俺たちならプロになることも夢じゃない。
でもそれじゃ熱中できないと思うんだよね。
俺が身体強化を授かった日を思い出すとみんなが周りでしんどそうにしているのに俺だけケロッとしてたからな。ああいう状態じゃ一体感というかそういう盛り上がりがないんだよな。
これは明日みんなが起きた時に言おう。
俺はそう思って一人リビングで寝袋にくるまって眠りについた。
翌朝。今日は土曜日のはずだ。
朝7時。みんなが起きだしたのでホワイトボードに書いてあるインストールをしておくようにお願いした。みんなのノートPCとタブレット、スマホにそれぞれインストールしだした。
やべぇ。俺、ノートパソコンにインストールしただけで安心してた。急いでタブレットとスマホにもインストールした。
今日の朝ご飯は母さんが作ってくれるようだ。
食器類もそろってるからね。
俺は言われるがままに、アイテムボックスから取り出していく。
しまった。コメは買ってても炊飯器を買ってなかった。今まで5合炊きのはあったけど、19人じゃ全然足らないよな。
母さんにお願いしてどんな家電製品がいるのか書き出しておいてもらった。
調理器具って使わないからわからないんだよな。
朝は駅前のパン屋で食パンを多めに買いに走った。もちろん俺が。
コーヒーとトーストと野菜サラダにゆで卵、ベーコンの焼いたの。
これが今日の朝食になった。
うんおいしい。
ここのパン屋で初めて買ったけど駅前で続いてるだけあってかなりおいしい食パンだ。
後でまた買い足しておこう。
さて、会議だ。
「おはようございます。今日はいろいろと棚上げしていたことがようやく取り掛かれる日です。役割分担してうまく作業していきましょう。ここに書き出していきますね。」
と、俺はホワイトボードに書かれていたことを消して、箇条書きにしていった。
わかりにくいので姓名にはかっこを入れてお母さん方はさん付けにした。
①会社の就業規則の印刷・配布、勤務表の記入。→しおり、美香
②会社の給与体系の構築→カアサンズ(全員のお母さんをグループでこう呼ぶことにした。)
③パワーストーンショップについての検討→(井之口)美穂、(明智)都、(井之口)京子さん、(明智)喜久子さん
④温泉場計画策定→(米田)義男、(米田)由香里さん、(護摩木)しおり、(護摩木)小百合(玉田)美香、(玉田)みどりさん
⑤リサイクル品項目検討→(三好)順子さん、(沢田)ほのかさん、(加藤)すみれ、(徳田)美智子さん、紀夫
こんな感じだろうか。
「皆さん知識としてはそれぞれがお持ちだと思います。おおざっぱにこのように分け、それぞれが開いた時にはほかのプロジェクトに参加していってください。美香もどんどん意見を言ってくれよ。この中で一番若いのが美香だからな。がきんちょ代表だな。」
と俺が言うと
「失礼ね。お兄ちゃん。私はもう中学生です。」
「はいはい。」
というとみんなが笑ってた。
「2.の給与体系についてはおおざっぱに決めていいと思います。そうですね。基本給20万円、役職給10万円とかざっくりとです。ほかには給与に加算する必要があるもの。例えば出張日当とかですかね。残業は一切出しませんが、タイムカードを置くこともしません。俺たちは学校もありますしそれぞれに家での主婦の仕事もありますからね。その辺は緩~く考えてください。家のこと優先でお願いします。学生は学業優先で。」
俺がそう言うと義男は渋い顔をした。
「おい、義男。お前そんな顔する必要なんてもうないだろうに。俺たちの頭の中にはもう大学受験でどこ受けても通るぐらいの学力はついてるぞ。受験のための勉強からは解放されたんだ。これからは自分のための勉強をすればいい。」
「そう考えると学校に行ってる意味がないな。」
「うん。学業面では確かにそうかもしれないけど、学校ってそれだけじゃないだろ?」
「部活とかか?」
「いや、これはお前たちに相談しようと思ってたんだけど、部活はもうやめようと思ってるんだ。今の俺たちの運動能力ってたぶん反則級だ。みんなが疲れ切ってる時に俺たちは汗も流せてない程度だよ。そんなの面白くないだろ?」
「確かにな。俺もやめるわ。」
しおりも翼も同意した。
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