とある作品について。

しあ

これはとある作品について。


誕生オープニングからエンディングまでを描いた作品群に〝人生〟というタイトルがある。


〝人生〟は一人芝居の作品では無いが主人公以外何も決まっていない。いつの間にか舞台は開演していて、その時、その瞬間の巡り合わせの中でみんなそれぞれの自分を演じていくのだ。〝人生〟は役者の数だけ主人公がいてその者の物語がある。


この膨大な作品群において開演誕生のタイミングは決められないが終演死ぬのは自由だ。だが一つだけこの作品には絶対的なルールがある。


「自分」の役を降りた者は〝人生〟の舞台には二度と立てない。ただそれだけさえ守れば後は永遠の愛を誓うも型に嵌めるも荒らすも壊すもアナタの自由だ。


それは、自分が〝人生〟の主人公で脇役で脚本家だからである。自分以外の役は存在しないし終演に続きはないのだ。


我々は生まれながらに表現者である。


外と内に仮面を被って、繕ってと演じ合うことよって交わった色が物語じんせいを彩っていく。出会いとはそれぞれのもつ自分の色を混ぜ合わせることで、縁とはその混ざりあった色のことを指す。


〝人生〟とは、アナタしか持たない、アナタだけの言葉のパレットで描かれた作品である。

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