とても静かな情景から物語が始まる。でもそれは、暗闇で聞く音楽のように一種の不安を掻き立てる。しずしずと、物語は展開してゆき、途中でどっきりするシーンにぶつかる。どうしてこういう物語になったのかと考えると、やっぱり切ない。汽車のイメージはかの有名な銀河鉄道(童話の方)を連想させるけど、それの使われ方がもっと、直接的。いい話、だと思うんだけど、なんだろう難しい話。深読みしたい人にはお勧めな作品でした。