ハイリスク、ローリターン
春嵐
第1話
危険な道を選ぶのが、好きだった。
困難な道を、自分の力だけで、なんとかしていく。それに、よろこびを感じる。
普段は、基本的に調練。自分の身体を鍛えたり、ときどき雇われて誰かの身体を鍛えたり。身体を鍛えるときの楽しさや気持ち良さは、伝播しやすかった。だから、一緒にいるだけで周りの人間のトレーニング効率は上がる。
弱点は、心。
精神の揺らぎを利用する分類の相手には、どうがんばっても勝てない。危険を楽しむという精神構造を利用されるだけ。
電話。
『どうも。ドリームロールです』
ドリームロール。駅前のコンビニ。同時に、ときどき依頼をしてくる客。
「なんでしょう」
『お仕事依頼してもいい?』
「ええ。なんなりと」
身体を動かしている途中だったので、二の腕が少し熱を持っている。電話を持ちながら、氷を探した。机の上だっけか。
『じゃあ、うちに来てね。待ってますので』
「持っていくものとか、ありますか?」
『どれぐらいで終わるかわからない依頼なので、戸締まりだけ』
「はい。戸締まりね」
なんでうちの戸締まりを気にしてるんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます