空港の2人

 ラ・カーム王国の王都ラーからキリスオー連盟の首都キリスまでは飛空艇で丁度一日の距離である。

 

 二人は一週間分の着替えを持ち、空港のラウンジで飛空艇を待っていた。

 

 「ユウカの着替えで荷物がパンパンだよ、何が入っているんだ?」クウガがあきれた様子でユウカをにらむ。

 

 「女子の荷物はそんなものなんだよ、それよりさ?」ユウカがクウガを上目遣いに見る。

 

 「ん?」

 

 「私たち、新婚旅行に見られるかな?」言われてみると周囲はカップルと家族連ればかりが目立っていた。

 

 「お、俺たちは仕事だから、さ」そう言ってわざとらしく外の飛空艇に目を向けた。

 

 「はーい、お仕事ですよね、クウガ隊長」そう言うと、ユウカはクウガの肩に自分の頭を寄せて目を閉じた。

 

 ラ・カーム国内を結ぶ便や国際線が数多く離着陸しているラーの空港、特に今回利用するラーとキリスを結ぶ便は利用者が多く、ラウンジもごった返していた。

 

 「ユウカ時間だよ」搭乗時間となり、ラウンジの乗客たちはゲートへと移動していた。

 

 「あ、私、寝てた?」

 

 「グーグーいびきかいてたぞ」

 

 「え?うそ??本当に?」

 

 「冗談だよ」

 

 「も・・・ばか」

 

 「ごめん」

 

 「クウガならなんでも許すけどさ・・」

 

 「もうすぐ離陸だな」

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