第14話 秘密裏に動く人達
「ミク寝た?」
「うん、絵本抱いてぐっすり寝てるよ。すぐ寝てくれてよかったよ」
寝室に出てきたリコと話すクルミ。起こさないようにそっとリコが扉を閉めると、三人とも、ふぅ。と一呼吸をした
「夜までまだ時間あるし、私達も少し休みましょうか」
「私、ミクと一緒にいるから……」
と、リコがモモカにそう返事すると、クルミとモモカが顔を見合わせて頷いた
「じゃあ、私達も一緒に眠ろうかな」
「えー?でも、ベッド狭いよー」
「レイさん、ミクの事を知ってたっぽいよね」
ミクを起こさないようにヒソヒソと話すリコ。ベッドに眠らずソファーに座って、三人ともミクの様子を見ながら、のんびりと過ごし体を休めている
「……そうだね、意味ありげな台詞だったし」
ふぅ。とため息ついて返事をするクルミ。隣にいるリコが、さっきの出来事を思い出して、不満そうな顔をしている
「だったら、もっと早くにミクの家を見つけられたんじゃないの?」
「そういえば、そうだね……」
モモカがそう返事をすると会話が止まってしまい、寝ているミク達を見るリコ達。しばらく、ぼーっと見ていると、ミクがゆっくりと体を起こした
「ミクちゃん、どうしたの?」
「もう……起きます……」
うつらうつらと目を擦りベッドから降りると、少しフラフラとした足取りで、ソファーに座るモモカの隣に座る
「さすがに寝過ぎた?」
声をながらミクの背中をさするモモカ。返事をするように頷くミク。そんな二人を見て、リコが何か思い出したような顔をした
「そうだ!おやつ食べに行こうよ。約束したでしょ?」
「そうだけど……今?」
リコの提案にクルミが戸惑っていると、リコがグイグイと顔を近づけていく
「まだレイさんに呼ばれた時間まで結構あるし、部屋にずっと居るより、散歩がてらに外に出ようよ」
「でも、ミクちゃんの体調が……」
そう話ながら心配そうにミクを見るモモカ。リコやクルミもミクに視線を向ける。急に三人に見つめられ、あたふたと戸惑うミク
「えっと……私も、おやつ食べたいです」
少しうつ向き気味に話すなり、リコがミクに駆け寄ってくいく。ビックリして、モモカの側に少し体を寄せるミクの両手をつかんで、ニコニコと微笑んだ
「じゃあ、気が変わる前に、急いで行こうっか」
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