ひとり
@oragiru
ひとり
「大変長らくお疲れさまでした。まもなく終点~終点~赤崎~」「お足元にご注意ください。」ガシャッ トコン トコン トコン… くたびれた駅ホーム。ところどころ錆びた鉄の支柱。ただただ不気味で気味の悪い場所だ。
「はぁ…なんで来ちゃったかなぁ。」
後悔と不安が今になってどっと来る。いやいや、もちろん来たいと思ったのは僕さ。後悔なんてしてられないんだろうけど。ただどうしても駅ホームから動こうとは思えない。
最後の電車できたから、客どころか駅員もいない。ここにいるのは僕一人だ。
「どうしたもんか。とりあえずえきをでなきゃな。」
重い足を持ち上げて、ゆっくりと出口に向かう。でも一歩一歩が重くて重くて、全然前に進めない。
「お客一人でなにしてんだか。」
うーん…意味が分からない。まぁ悩んでいてもしょうがないか。とりあえずえきの改札までどうにかたどり着いた。
「ふー。疲れた。」
ポケットの中の電子カードを機械に通して、改札をでた。
「これで、よし。」
ほっとしたのか、足が軽くなってきた。よかった。
「苦労したんだ。頼むぞ。」
もう駅を出れる。嬉しいな。もう怖い思いしなくて済むんだ。とても軽くていい気分だ。
ふふ~ん♪ふふ~ん♪ あ、そうだ。
「ありがとうね。もうこないようにするよ。」
ひとり @oragiru
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