内戦

1919年8月1日 イタリア 某所

「…繰り返します!我が国の政府は降伏しました!」

…降伏だと?ふざけるな!こっちは戦時下の生活に必死に耐えてきた!なのに、その結果がこれだと!?何のために兵士たちは血を流した!何のために我々は国のために働いた!…今の政府は我々のための政府ではない。ならば、この偽物の政府を打ち倒す。

…どこかの公園にて

「我々はこの4年間、苦しみを味わい続けていた。…何故か!…間抜けな政府が無謀な戦争に突っ込んだせいだ!我々はもう限界だ。今こそ立ち上がり、我々のための政府を作ろうではないか!」

「「「「おー!」」」」

…後にイタリア臨時政府発足大会と呼ばれるこの大会には1万人が集まり、旧体制の打破を狙った。また、シチリアでは軍によるクーデターが発生。さらに、この広がりは本土にも広がり、サヴォイア家はサルデーニャ島に追放された。サヴォイア家はサルデーニャ島でイタリア王国亡命政府を成立させ、後にサルデーニャ王国に国名を変える。。イタリア臨時政府はオーストリアと休戦し、講和条約までの間、オーストリア非占領地域の統治をした。彼らは出来るだけ良い条件で講和ができるように交渉した。……だが、彼らの期待は容易く裏切られた。

1921年11月11日

…今日は大戦争の講和条約ベルサイユ条約が結ばれる日だ。最低条件はイタリアの主権を守る。これは絶対だ。

「報告します!ベルサイユ条約の内容が届きました!」

「そうか。それではそこに置いてくれ。」

「はっ!」

そして、俺はそれを読んだ。…結論から言うととてもクソな内容だった。イタリアはオーストリアの傀儡「イタリア連邦」になると言う。我々は異民族に支配されない。イタリア連邦を倒し、我々のための国を作り上げる!

ナポリ イタリア臨時政府本部

「…さて、本日はベルサイユ条約が結ばれる日だが、正直に言ってこれは我々には到底受け入れられないものだ。我々が提示した最低条件を破り、我々はを支配しようとしている。だが、我らは奴らに決して屈しない!戦え!皆の者!奴らに我らイタリア人の恐ろしさを身に染みさせるぞ!」

そして、同日、イタリア臨時政府軍はイタリア連邦に侵攻を開始。国境警備隊しか配置していなかったイタリア連邦とオーストリアは本気で殴りかかってきた臨時政府軍に苦戦。僅か50時間でローマを臨時政府が占領。その後も臨時政府は北進を続けたが、オーストリアの本格的な介入により、戦線が一気に後退。ナポリ近郊で戦線が停止。その後、休戦条約が結ばれた。

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