哀
風のない
褪せた寂しい世界に
ひとり佇む
ぽちょん、ぽちょん、
瓦礫の山が逆巻いて
飲み込んでしまいそうで
恐ろしい
ぽつり、ぽつり、
自分の輪郭が
ぼうぼうとして
霧のように漂う
さぁー、さぁー、
耳や胸や口に
つっかえてしまって
今にも、はち切れて
ざあ、ざあ、
なんで
なんで、
なんで、止まらない
ごおー、ごおー、
嘘だ
きっと、白昼夢なんだ
この生温い、気温も
体が痺れる、浮遊感も
ごうごう、ざぶざぶ、
誰か、頼むから
今、だけで、いいから
僕を、どこかに、匿ってくれよ
押し潰されそうで、怖いよ
消えてしまいそうで、怖いよ
誰か、助けてよ
ぶくぶく、ぶくぶく、
希いは宙を彷徨う
僕の体と共に
無垢な涙の海に、ただ。
…………。
そして、僕は、
僕を見失った。
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