今
ただ堅く、重っ苦しく
身体中を背中から這い回るような
今
人は伏し、くらやみに閉ざされ
街路がぼうっと静かに風を待つ
今
目の先ばかり追いかけて
自分を置いてけぼりに走っていく
今
人に押し付けて逃げていたのに
自分を締め付けていると憶えた
ただ闇雲にもがていたら
他人を痛めつけてしまうと臆した
知りたくないことばかり
頭の中に勝手に現れていく
勝手に、勝手に、勝手に、
ぼくを狂わせていく
善と悪の狭間に埋もれた何者かが
ぼくの中を満たしていく
ただ満たされず、満たされていく
ただ満たせず、満たしていく
ただ虚に、無を詰め込んでいく
ただ拳は錆びた鉛のような鈍色に
希望を握りしめて離さないようにしようと
白く、白々しく
潔白で、淡白に
生きようと
そう誓った、たった今。
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