すずろな夜


ぶら下がった紐を引き

おもむろに身を埋め

呼吸ばかりが耳元に感じる


天井へ伸ばした手が

何を掴むでもなく

ただ寒いので布団に戻す


所在なく目を閉じると

粘着質で鮮やかな灰色が

静かに心臓をくすぐる


やがてやってくる朝を

この酷く脆い心が

拒むのだと知った

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