美波と狂月の魔術書

虚無~うつな~

出会い

「はぁ、今日も疲れた。」

美波はいつものようにバイト帰りに歩いていた。

「くっふっふっ。そこの少女よ。悩み事があるのなら我に問いよ。我が名は狂月の魔術書(ルナティック・グリモワール)!我が知識(アカシックレコード)が助けになろう。」

そこには黒のローブをまとった少女がいた。左目が黒い髪に隠れ、青い右目でこちらを見つめている。

「こんなに暗いのに1人で…あなたどこの子?」

「我は子供ではない!この幼き姿が我が魔力を抑え込むのに最適な体なのだ!」

美波は確信した。これに関わるとめんどくさいと。そんな美波はさりげなく帰ろうとした。

「どこへ行くのだ!我が魔眼を恐れているのだな。安心しろ、我が魔眼がお前に牙をむくことは無い。」

その言葉を無視し、美波は帰る足を止めない。

「ごめん、待って!話を聞いてくれ。」

遂に折れたのか話し方を変えてきた。美波は仕方なく付き合うことにした。


近くのカフェで話し合うことになった。

「私と話し合いたいってどういうことですか?」

美波にとっては彼女は十分に不審だった。

「覚えていないのか…?」

「ん〜…特に何も。」

「覚えていないのなら教えてやろう!我が真名を!」

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