芽衣の憂鬱
芽衣がバイトから帰って食事を終え、お風呂も終わると、既に8時だった。湯上りにはこれだよね、と買って置いたスーパーカップを食べる。
いつものTシャツに短パンといった姿で妹の部屋に入っていく。
「いきなり入ってこないでよ」
「何だー?見られてまずいものでもあるの?」
「ないけどさ」
「ところでこれ見て!」昼に渡されたメモを見せる。
「お、ラブレター?」
「かなー、そこそこイケメンだとは思うけど」
「え!お姉ちゃんどうするの?」
「こうする」言って、メモをびりびりに破いた。
「わー、さすが、黒木さん?虎さんだけなんだね」
「虎かあ、お姉ちゃん分かんないよ」
「どうしたの?」
「大人の事情」
「あー三角関係?」
「まだ丸にも三角にもなっていないのかもね」
「弱気なお姉ちゃんはらしくないよ」
「妹のくせに生意気な」
「あ、そういえばアイスありがとうね」
「どういたしまして」そう言って芽衣は自室に戻った。
部屋に戻ってベッドの上に倒れ込む。バフッといい音がする。
黒木 虎
虎
虎君
私の好きな人 ねぇ、私のことどう思っているの?
あの子のことが好きなんですか?
芽衣の胸は締め付けられるようだ。
明日、会えるね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます