第2話 異変――タカシくん編
「大丈夫か」とお父さんは声をかけようとしました。その前に、もたれていたベッドからタカシくんは枕を掴み、お父さんに投げつけました。タカシくんは立ち上がり、「見んなよ」と叫びながら、ドアの向こうにお父さんを押しやり、ものすごい勢いでドアを閉めました。
ドアの目の前でお父さんは呆然と立ち尽くしました。
そこへ、スリッパでフローリングの廊下を歩く音がしました。見ると、お母さんが歩いてきました。お母さんは呆然としているお父さんの顔を、怪訝な表情で見て、
「どうしたの」と心配そうに聞きました。
お父さんは、お母さんの二の腕を掴んで、廊下をリビングの方へ引っ張っていきました。歩きながら、
「声、聞こえたろ。いや、まずいかもしれない」
お父さんが自分の額に手を当てると、びっしょりと汗で濡れていました。
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