第9 文体①

 まず、作品を書くときに悩むのが、文末の表現です。


 「……である」にするか「……です」にするか、です。作品の内容によってどちらがいいか迷います。「……である」にすると、切れがいいけど、少し堅苦しい感じになります。「…です」にすると優しい感じがするけれど、インパクトが弱くなります。


 どちらも一長一短、私は内容に応じて、変えています。


 読む方は「……である」調だと強い印象をうけるだろうし、「……です」調だと丁寧な感じを受けると思います。


 作品の内容によってこれを使い分けて、上手に味付けして、うまく生かせれば、作品が持つ印象が違ってきます。


 私は「楽しい源氏物語」では、ですます調を使いました。「源氏物語」持つゆったりした雰囲気を表すのには、その方がいいと思ったからです。


 それから、この「ゴーストライター」も、ですます調にしました。それは「……である」調だとちょっと偉そうな感じがすると思ったからです。あくまで、私の文章論ですから、いかにもそれが正しいみたいに「……である」調だと、読んでいて鼻につくかなと思ったからです。


 一方で「私のうつ病日記」は「……である」調にしました。日記なのと、自分を客観的に見るのには、「……である」の方がしっくりきたからです。


 「子育て親育て」は「……である」調にしました。それは、その方がテンポが良く、歯切れもいいからです。


 「パートあるある 私の失敗談」も「……である」調にしました。これも、テンポがほしいのと、内容が失敗談なので、「……である」の方がしっくりきたからです。


 「アダルトチルドレンからの卒業」では「……である」調にしました。これも自分を客観的に見つめる文章だったので、その方が説得力があると感じたからです。


こんな風に、作品によって、文体を「……である」調か「……です」調にするかを私は考えます。


 どちらが作品にあっているかで、どちらかに決めます。書いているうちに、これは違うなと思って変える場合もあります。あくまで、作品にあわせて、選びます。


 日本語は表現が豊かだから、こういうところでも、文章表現がいろいろできて、楽しいですね


 読んでいただきありがとうございました。




 


 

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