ホラー・サスペンス映画

〇キューブ (Cube) (★G)

1998年 カナダ

1時間30分(スタッフロール込み)


監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ

出演 ニコール・デ・ボア

   ニッキー・グァダーニ

   デヴィッド・ヒューレット


視聴 日本語吹き替え


タグ

 #ソリッドシチュエーションホラー #罠 #人体破壊系グロ

 #脱出 #低予算


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「脱出不能!? 連なる立方体の大迷宮……! 心を蝕む閉塞感と致命的な罠のソリッドシチュエーションホラー!」


 今回は『キューブ (Cube) 』を紹介します。


――――――――――


~あらすじ~


 目を覚ますと自分の名前が書かれた簡素な服を着せられて、見知らぬ部屋に閉じ込められていた複数人の男女。

 暑い室温と、時折聞こえる地響きのような謎の音……

 天井、床、壁、部屋の各面は正方形で構成されており、中央には各方角にある隣の部屋に続く、ハンドルを回すと開く機械式のドアが付けられている。


 そんな見知らぬ場所で顔を合わせた彼ら、彼女らは、自分たちがどうしてここにいるかの記憶が無い。

 この場所が何なのか。誰が何のために、自分たちをここに連れて来たのか。

 不安に襲われた彼らだったが、どちらにせよ、食料も無ければ水もなければこのまま死ぬだけだと思い脱出するために動こうとする。

 だが、怪我をしている男の話では罠が仕掛けられている部屋があるので移動には注意を払わなければならないと言う。

 それも作動すると命を落としかねない、危険な罠らしい。


 前後左右、そして上下。どの隣の部屋に入ろうとしても、罠のある部屋かどうかを見抜いて移動する必要性があると話し合うが、一同は不安に包まれる。


 ここがどれだけの大きさで、どこまで部屋が連なっているのか。

 そもそも出口があるのか。


 メンバーは警官、医者、サラリーマン、学生、そして脱獄のプロなど多様であるが、果たして、この男女はこの謎の施設から無事に脱出できるのか。


――――――――――


 感想


 ぎぃゃああああああああッッッ!(最序盤、開始数分後に罠にかかる男性を見て)


 ……そ、そんなわけで『キューブ (Cube) 』の感想です。(上記のシーンは誰がどう見ても即死と分かるレベルの人体破壊で超グロいので注意……!)


 この映画はいわゆるソリッドシチュエーションホラーもの――閉じ込められた危険な場所から知恵を駆使して脱出を図ると言ったものです。

 ただ、この映画では、例えば主人公達に脱出が有利になるような「試練」や「ゲーム」が出てくるような展開がなく、あくまで部屋を調べたりしながら見つけた情報や、知識で考えながら恐る恐る進むと言った、まさにこの迷宮自体がキャラを殺してくる最大の敵と言った感じです。


 で、この迷宮の罠が凄まじい……!

 容赦のない、「ここまで人間の体を破壊するのか!」と言いたくなるような極悪な罠ばかりで、序盤のあのシーンは本当にグロくてビックリしました。

 最初からすげぇ飛ばすなぁ!


 それとキャラですが、バリバリ行動派のマッチョな警官に、たびたび政府の陰謀論を唱えるちょいヒステリックな医者、虚無っぽい人生観のサラリーマンに、ちょいインテリ系だけど普通の学生、老練な動きで罠を見破る脱獄のプロ。

 途中で一人加わりますが、この途中参入キャラに若干イライラしました。

 この状況だし、と、このキャラに激怒する警官にちょっと感情移入もしてしまったり、それでも庇う医者の言う事も理解できたり……


 あと、学生は女の子で、眼鏡をかけた女の子なのですが、この女の子が非常に可愛らしくて、応援したくなりました。


 最初は談笑したりもしてた男女でしたが、次第に人間関係がぶっ壊れていくギスギス感と施設の閉塞感と絶望感は好きな人ならたまらないんじゃないかなぁと思います。


――――――――――


 総評


 施設の攻略難易度  ★★★★★★★★★★

 人体破壊度     ★★★★★★★★★★

 キャンディの袋数  ★★★★★★★★★★

           ★★★★★★★★★★

           ★★★★★★★(27)


 感想のところであれだけグロい、超グロいと言いまくってた男性が罠にかかる開幕のシーンですが、施設の極悪な危険度が開始数分で丸わかりになると言う、すごい構成だと思いました。

 何よりあの死に方はインパクトがすごい。


 それとこの映画は低予算の映画らしく、視聴後に調べて撮影環境等を知った時は本当にびっくりしました。

 全然、低予算さを感じなような工夫がされていて、こう言うアイデアで映画を作れるのはすごい事だと思います。


 思い切った構成に後半のギスギス感、度重なる挫折により襲い来る絶望。

 そして容赦の無い死亡描写。


 ソリッドシチュエーションホラーとしてはかなり有名な映画らしく、その知名度に恥じないすごい映画でした。

 個人的に施設の骨になるギミックはなんとなく予想できていましたが、主人公達がそれを知る『謎解き』の部分は、専門的な学問を使う物でありつつも割と身近な物でした(人によっては自力で確かめられる、かも?)が、これには深く突っ込んで考えずに、頭を空っぽにして観た方が夢詰め込めて楽しいかもしれません。


 グロ大丈夫な人、90年代のホラー洋画好きの方に、是非! と、オススメします。

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