アクション・スリラー・ミステリー映画

〇バトル・ロワイアル 特別篇(G、R15)

2001年 日本

2時間1分(スタッフロール込み)


監督 深作欣二


出演 藤原竜也

   山本太郎

   ビートたけし

   前田亜季

   柴咲コウ

   栗山千明

   宮村優子(ルール説明のVTR)


視聴 通常バージョンに追加シーンを加えた『特別編』。

   R15なので、15歳以下は見れません。

   検索した結果、2000年公開の通常バージョンもAmazon prime会員特典にあり。


タグ #デスゲーム #問題作 #容赦ない暴力シーン #パラレルワールド

   #中学三年生 #小説原作 #グロあり #良BGM

   #レビュー筆者お気に入り


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 一言紹介

「『今日は皆さんに、殺し合いをしてもらいます』

 中学3年1クラス、42人全員強制参加のデスゲーム! 優勝者は一人だけ……!」


 今回紹介するのは『バトルロワイアル 特別篇』です。


――――――――――


~あらすじ~


 大不況により壊れたパラレルワールドの日本。

 経済危機で失業者は15パーセントを突破。子供たちは不登校、非行に走り、学級崩壊が相次いで少年犯罪が後を絶たず、校内暴力で教師たちの殉職が続出してしまう。

 子供たちを恐れ、制御しきれなくなった大人たちは暴走し、毎年ランダムに選ばれた中学三年生の1クラス全員に、爆弾付きの首輪と言う脱出不可のアイテムを装着させた上、閉鎖されたエリアで最後の一人になるまで殺し合わせると言う、BR法が可決されてしまった、そんな日本。


 自殺した父親を持つ少年、七原秋也は、修学旅行でバスの移動中にクラスごと拉致され、この殺し合いゲームに参加させられてしまったことを知る。

 秋也は亡き親友の好きだった女の子を守り抜くことを決意。

 しかし、クラスメイト達は次々とこの殺し合いゲームに乗ってしまい……


――――――――――


 感想


 まず初めに。私はこの映画の原作となった小説(太田出版、著者 高見広春)のファンで、本がボロボロになるまで読みました。

 原作小説では舞台となる国の名前も「日本」ではなく「大東亜共和国」と言う架空の全体主義国家で、他にもキャラの設定や行動など、映画版とは違いがたくさんありますが、その辺は総評の方に書くとして、ひとまず映画の感想を書きます。


 個人的には文句なしで面白いです。

 政府に強制される殺し合い……反発しようにも相手は圧倒的な人数と装備を持っているばかりか、子供たちはボタン一つで爆発する首輪を外せない状態で付けられている。(しかも無理に外そうとすると爆発する)

 途中経過……誰が死んだのかが定期的に放送で流れて、時間と共に追加される禁止エリアで移動を余儀なくされ、不意にクラスメイトと出会ってしまった時、手に武器がある。

 そして思うのです。


 ――自分は戦う気が無くても、相手は自分を殺そうとしてるのかもしれない。

 ――殺さなきゃ殺されるなら、やるしかない。


 こう書くと状況は最悪で、生き残れるのが一人だけとなればどうなるのか。


「友達だったんだよ! 何でみんな、そんな簡単に殺し合うんだよ!」


 劇中の主人公の叫びです。


 42人と言う多いキャラクターですが、様々な理由を持って、この殺し合いゲームの中で動き回ります。

 もちろん、自分だけが助かろうと積極的に参加する者ばかりではなく、例えば片思いの女の子を探すために探して走り続けていたり、仲良しグループで団結して立て籠もっても疑心暗鬼になってしまったり……


 主人公の七原秋也に藤原竜也。重要キャラの川田章吾に、今は政治家として活動なさっている山本太郎がキャスティングされています。

 藤原竜也も良い演技しますし、ショットガンを構える山本太郎もまたカッコイイ!

 また、殺し合いをさせる政府側もビートたけしの存在感が凄まじいので、是非チェックしてみてください。


 さて、BGMにクラシックが多用されていますが、この殺伐とした映画に実にマッチしてドラマチックにシーンを彩っています。

 緊迫した絶望的な争いの中、銃弾が着弾した瞬間にBGMがG線上のアリアに切り替わるシーンは、何度見ても最高に好きです。

 クラシックのこの使い方、天才なんじゃないかと思います。


――――――――――


 総評


 おすすめ度     ★★★★★★★★★★

 ノスタルジー度   ★★★★★★★★★★

 バイオレンス度   ★★★★★★★★★★


 色褪せない名作……映画公開時期、日本の西暦2000年頃と言う時代に私は思春期で、一部殺伐としていた空気を感じていた思い出補正もあるかもしれませんが、私にとってのこの映画はまさに、いつまでも色褪せない名作です。


 登場人物に個性がこれでもかと盛られていた原作、及び原作に忠実かつプラス要素を加味したコミカライズ版とは、おもむきが違うのは惜しいところですが、それでもこの映画には当時の日本が抱えていたみたいなものが内在していて、原作とは違う強烈なメッセージ性があります。


 お休みの日の午前中に視聴して、懐かしさと共に涙が流れそうになりました。


 なんて、個人的主観が強すぎますね。(どうもすいません)


 ……あ、一つ言い忘れていました。

 おすすめポイント、と言うほどの事ではないかもしれませんが、アニメ、新世紀エヴァンゲリオンでアスカ・ラングレーの声を当てている声優、宮村優子さんが劇中、ゲームルールの説明VTRに出演していますので、お好きな方はチェックしてみてください。


――――――――――


※追記


 レビューして早々ですが、2020年9月11日に配信が終わるようです。(泣)

視聴したいと思った方はお早めに。(なお、特別編でない通常バージョンのバトル・ロワイアルは見れるようなので、よろしくお願いします)

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