デッドイーター

キャラ&シイ

序章・死々累々這い寄りて。

「くそ......キリがねぇな...。

何か手はないかトレーズ?」

「奴らの巣だぞ、数が多い事は分かってた筈だよなクオン?」

「あ、あぁ、まぁな......。

それが、さっきの群れで俺のライフフォースの残量に余裕が無くてよ...本当に参ったぜ。」

「そうか.........。

相変わらず無計画なんだな、あんた?

何より、僕もあの数相手に有効な手段は持ち合わせてないよ?」

「あー・・・・マジか~?

じゃあ俺達、ここであの死人どもの仲間入りっわけか......。

くそ、こんな事ならコーチャちゃんの風呂覗きみしとくんだったぜ!」


「・・・・・それ本人に聞かれたら絶対に殺されるぞ?」

トレーズはやや呆れた口調でクオンに告げる。

それは感情の薄いトレーズにしては珍しい反応であったが、クオンにはその事を気にしている様子はなく、緊張感に満ちた表情で前方の暗がりを睨めつけた。


「ちょっと、あんたらこんな時に緊張感とか無さすぎ!

バカな事を言ってる暇があったら、あの腐りかけを何とかする方法を考えなさいよ!」

「ちょ、ちょっとユノちゃん...俺はこの木偶の坊と違って消耗してるんだから、少しは労って!」

「うん、分かった。

なら貴方が奴らの餌になったら私が、労りの心を込めてしっかりと始末してあげるね?」

「えっ......いや、ご免なさい!

俺、調子乗ってました。」

ユノの暗い労りが込められた笑顔に気圧されながら、クオンはカタカタと身を震わせる。


だが――。


「おふざけは、そこまでにしておけ。

群れが此方に気付いたぞ!」

そんな緊張感の無いやり取りは、トレーズの一言により終わりを告げた。

「くそ、マジかよ!?

俺は旨くないっつーの!」

クオンはそう愚痴りながらライフルを構える。


グォォォォォォォ――!


次の瞬間、そんな獣じみた声が響き渡り無数の人影が動き出す。

ある者は這いずりながら、またある者は足を引き摺り移動を開始する。

「トレーズ......まともにやるのは不味そうね?」

「ああ、一旦、態勢を整えてからの方が良さそうだね。」

トレーズの返答にユノは、無言で頷く。

その直後、トレーズ達三人は死せる者達より距離を取るべく走り出す。

だが、死せる者達はそんな三人の動きを即座に関知し、追跡を開始した。


生きる者を妬み羨んでいるかのように――・・・・。

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