夏色の砂時計
多木すと
零日目(1):あの頃のこと
母親は俺が十六歳の誕生日を迎えた朝に家を出ていった。理由は単純、他の男と浮気していたからだ。
でも母親が浮気していたことは薄々気づいていた。
気づいていたけど、俺はそれでよかった。
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