とんだ所に沼がある
すこし汗をかいた初夏
おフロに入ってサッパリ
窓をあけたら夜の空気
なんだかいいニオイがするね
草のニオイに風のニオイ
思いっきり吸いこんでみよう
ああ 心の奥がサワサワ揺れているよ
このサワサワは何だろう
耳を澄ませば聞こえてくるの
耳に覚えのある 軽やかなメロディ
アンニュイな雰囲気のあの声が
ヤッバイ! この声知ってるよ
バタンと窓を閉めてももう遅い
耳の奥に蘇るあのセリフ
「さあ お店を開きましょう」
昔ハマったお店経営シミュレーションゲーム
商品を仕入れて売って どんどんお店を大きくするの
売れば売るほど できることが増えていく
アイテムの数も膨大で やりこみ要素無限大
止めどきが分からなくなる あのゲーム
延々いつまでも続けちゃう あのゲーム
時間泥棒なんて呼ばれてる あのゲーム
最終的には夢の中でもやってたなぁ
そういえば初夏のこの時期
いつもあのゲームのことを思い出す
理由なんて分からないよ だって急に襲ってくるんだ あの衝動が
ダメだ ダメだ また抜けられなくなるぞ!
とんだ所に沼がある とんだ所に沼がある
ああもう無理だ 矢も楯もたまらずもう一回開いちゃう
完璧に仕上げたあのころのデータじゃなくて
ニューゲームから始めちゃう
小さなお店から だんだん大きくしていく過程が楽しいんだ
あーあ 窓を開けただけなのに
抜けられないゲーム沼に引きずり込まれちゃった
でも仕方ない 面白いから夢中なのさ
今年も完クリしちゃおうかな
とんだ所に沼がある とんだ所に沼がある
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