続・すべり台のススメ~流血の舞

ねぇ おぼえてる?

ボク何か月か前にプレゼンしたよね

すべり台の素晴らしさを

それはそれは熱くプレゼンしたこと

覚えてないとは言わせないよ


すべり台 すべり台

すべり台ツルーン


ほどよいスリル とびきりの楽しさ

公園のすべり台はボクらのテーマパーク


「ヒャッホーイ すべり台ツルーン!」


チビっ子やママさんからチラチラ見られても

すべり台はやめられない

あっ コレ白い目ってやつだ

分かっていてもやめられない


年齢(トシ)とともに三半規管が弱ったか

20回すべったところで「オエッ」となった

それでも すべり台はやめられない


そして事件は起こったのです

起こるべくして 起こったのです


あの日ボクは途方に暮れた

階段登る! すべり台滑る!

それだけじゃ 物足りなくなったって気付いたの


もっとだ もっと!

欲しいのはスピードだ!

もっとヒリヒリさせてくれ!

生きてるって実感をくれ!


すべり台のてっぺんで

手すりにつかまって前後に体をブランブラン

アン ドゥ トロワ

勢いつけて さぁダイブ!

求めていたのはこの景色


「ヒャッホーイ すべり台ツルーン!」


その瞬間 鼻の奥が熱くなった

お脳にドンと響く音

すべり台の手すりに顔面激突

ねぇ 何でこんな所に棒があるの?

ねぇ 何でボクこの柵に気付かなかったのかな


ああ すべり台

流血の舞


生まれてこのかた

鼻血を出したことがないのだけが自慢だったのに

ダッダッと足元を叩く水滴は血の色をしてた

とんだすべり台ツルーン


顔面血まみれで

泣きながらおうちに帰ったら

ママンが腰を抜かして鼻血を噴いた


すべり台 すべり台

すべり台ツルーン


今日のボクは流血の舞

ついでにママンも流血の舞

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