第46話 文化祭③
文化祭二日目の朝は憂鬱。
なぜか…それは昨日色々あったから大変そう。
ただそれだけ
そして今日からは、メガネとかつける必要もないだが
いかんせん、準備がめんどくさい。
「おはよ」
「はい。おはよ」
まだ髪もボサボサのさやが家に入ってきた。
「朝ごはんできてるから」
「ん」
目を擦りながらヨチヨチ歩いていく。
その間にも俺は自分の身支度を整える。
リビングへと戻るとさやはすでにご飯を食べ終えてコーヒーをすすっていた。
櫛を取り出してさやのボサボサ髪を直していく。
「うーいたいー」
「今日からみすぎ」
今日はなかなか酷い絡み具合だこと。
「はい。できたよ」
「ん。ありがと」
結構時間かかったな。
さやは、制服に着替えに一度家へ。
しばらく待ってると出てきたので一緒に登校する。
「いちいち家帰るのめんどくさい。周の家に服置いていい?」
もうそれ同棲じゃん。
いや、でも、今も似たようなもんかな?
たまに泊まりに来るし。
……いやいや、ダメだ。それやったら歯止めが効かなくなる。
「ダメだ」
「むーけち」
いや、ほんとに理性がね?
「まじで、我慢できなくなるからね?ダメだよ」
「我慢しなくていいよ?」
真顔でそんなこと言うな。まじで…やばい
「っ!?本当にまずいから…」
ああ、顔熱い。
「むーばか」
「ばかは違うだろ」
なんでそうなんだよ
「周はばか」
わーひでぇ
「すまんね」
「でも好き」
グハァ…
下げて上げるパターンですか。
やられた。
「ああ、ありがと」
「ん」
なんだこいつは愛おしいすぎる。
ああ、好きだわ
「さて今日も一日頑張っていこー!」
「「「おー!」」」
2日目の文化祭が始まる。
俺とさやは予定通り最初は客引きをすることに。
始まってすぐにいろんな人に話かけられる。
まじか、客引きってこんな感じなのか。
めっちゃ大変だな。
お店の場所を教えたり一緒に写真撮ったり、時間が経つにつれて人は増えていく。
「よお、調子はどお?」
優が後ろから声をかけてきた。
「サボり?」
「あ?ちげーよ」
なんだ、違うのか
「ならどしたん?」
「人足りないからこっち手伝え」
まだ10時すぎでそんなにか
「なんでだろ」
「なんでって。どー考えてもお前らのせいだよ」
「は?」
俺らなんかしたか?
「ん?なんかした?」
「お前らの写真とかお店の写真がSNSで広まってる」
「は?」
何それ怖いな
「はよ、来い」
「お、おう」
教室へと戻ると廊下に列ができていた。
まじかこのレベルか。
「あ、この人たちじゃん。インスタで乗ってた」
列に並んでいた。JKに指差される。
「ほんとだ。ほんとだー!」
わー怖い怖い。
さっさと教室に入り俺もさやも店員に加わる。
「えっと一緒に写真撮ってもらってもいいですか?」
「ん?いいですよ」
「やった!いいって!」
中学生っぽい女の子たちに声をかけられる。
「私達ここ受けるんです」
やっぱ中学生か
「そっか、がんばれよ」
つい、いつもののりで頭を触ってしまう。
「あ、ごめん」
「い、いいい、いえ。だだだ、大丈夫です!」
あちゃちゃ。やっちった。
ふと厨房の方から視線を感じ見ると
こっちをジト目でさやが見てる。
いや、まじすまん。
「じゃあ、と、とりますね」
「はいよ」
そのあと。さやにお叱りを受けた。
勝手に手が出ちゃったんだよ。
しばらく普通に店員をしてると、うちの両親と春と雪がきた。
「ヤッホー周きたよー」
「周なの?」「しゅうぅ〜」
春と雪もつれてくるってそういえば言ってたな
「よ、楽しんでってな」
「楽しむの!」「楽しみー」
4人をテーブルへとつれていく
「おすすめ人数分頼むよ」
父さんにそう言われたので一番利益率高いのにしておく。
「飲み物はどうする?」
「オレンジジュースなの!」「アッポージュース」
「はいよ」
メモっていく
「私たちはコーヒーでお願いね」
「了解」
注文を厨房に伝える。
「お義母さんに挨拶してくる」
「はいよ」
さやは母さんたちに挨拶しに言った。
俺は、ランチセットと頼まれた飲み物を持っていく
「周きたの」「アッポージュース」
はいこれアッポージュース
「せっかくだから写真撮ろっか」
さやと俺と、春と雪で写真を撮ってもらう。
うん。なんかほんとの家族みたいになってんな。
まだ、仕事はあるので写真を撮ったら仕事へと戻る。
食べ終わった4人をさっさと帰らせる。
まだまだ人が多いのだ。
「なんかさっきのまじの家族みたいだったぞ」
俺もなんとなくそんな感じはしたんだよな
「ねー花音もびっくりしちゃったよー」
なんか久しぶりに花音出てきた。
「結婚式呼んでね」
「え、あ、おう」
「ふーん予定はあるんだね」
「あ、いや、ちげーよ」
こいつやだ。
花音にカウンターを仕掛けるも負けて逃げるように店員の仕事へともどる。
花音に勝つのはなかなか難しい。
「やっほー」
誰かが元気よく入ってきた。
見なくてもこの声には聞き覚えがある。
「あ、周くーん!きたよー!」
雫さんだった。
「いらっしゃいませ、雫さん」
「うんうん。私はお客さんだぞー」
ただのカモです。
「あ、雫さん」
「やっほー」
さやに手を振っている。
案内はさやに任せる。
「あの人だれ?」
クラスの男子が聞いてきた。
「俺もきになる。めちゃくちゃ美人だよな」
「わかるはーボンキュッボンを体現してるよな」
あはは…
「えっと、さやの保護者だよ」
「保護者…あー親ってことね。わかりづらい言い方すんなよー」
まあ、実は親ではないんだが詳しいところはいいだろう。
「20歳くらいに見えるんだけど、めっちゃ若くない?」
女子の間でも話題になってるっぽい。
「20歳くらいって何歳でさやちゃん産んでんのよ」
「ほんと、お姉ちゃんって言われた方がわかるわ」
まあ、確かにな。
「何歳なんだ?」
「知らねーよ」
嘘は言ってない。正確な年齢は本人も知ってるのか曖昧なくらいだからな。
ここで100歳は超えてるって言っても誰も信じないだろうけどな。
ちょうどさやが戻ってきた。
「Aセットでドリンクがコーヒーだって」
「はーい」
厨房へと伝える。
「なんか疲れてるっぽいけどどしたの雫さん」
今もなんか机でグデーっとしてる。
「おとといまでフランスにいたんだって」
時差ぼけとかかな
「なるほどね」
「午後はアメリカで、昨日はドイツでさっき日本に帰ってきたって」
んんー!?
「まじか。そりゃ疲れるだろうよ」
ほんとあの人なんの仕事してんだろ。
てか、仕事してんのか?
何気に謎に包まれてる。
また今度聞いてみようかな。
料理と飲み物を雫さんの元へと持っていく。
「お疲れみたいですね」
「そーなんだよー。ちょっとフランスの空気吸ってたら他の国の空気も吸いたくなってさー」
何言ってんだろこの人
空気吸いに行ってたのか?
まさかな
「ほとんど飛行機で生活じゃないですか」
「まあ、プライベートジェットだからそこまで苦ではないんだけどね」
はぁ!?
「ぷ、プライベートジェット?」
「あ、そうそうー普通の飛行機狭いからねー」
はぁ…どっからそんな金湧いてくんねん…
吸血鬼以上に常識が通じないのは雫さんかもしれない。
以上に疲れを感じながら裏方の方に戻った。
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