第19話 海といえば…

起きたら外は明るくなっていた。あとなんか体が重い。

体が重いと言うかこの俺の上に乗ってる物体が重い。

どうやら今日はソファで寝てたらしい。

上に乗ってる物体がゴソゴソと動く。

目を開くと俺の上で寝てたのはさやだった。

まぁ、ソファの時点でそんなことかと思ったよね。


さやを横に寝かせ。体を起こす。


「お、周くん起きた?」


昨日の犯人こと雫さんはエプロン姿で朝食を作ってる。

そこへ2階から花音と優が降りてくる。

気のせいだろうか、花音の顔がツヤツヤしてる気がする。

気のせいだろうか、優はすんごくダルそうな顔をしている。


花音が雫さんの耳元で何か伝えた。

優は俺の隣に座り遠い目をしている。

昨日あの後何があった。


「そっかーシーツ汚しちゃったか。大丈夫洗っとくから!」


「んな!?」


雫さんはそこそこ大きな声で言う


あーやってんな


花音の顔は真っ赤に染まった。


「うちの防音すごいなあ」


雫さん思うことはそれだけですか


「んーん。周おはよ」


さっきまで、寝てた。さやも起きる。


気のせいだろうか、さやも顔がツヤツヤしている。

いや、やってないよ!?血いっぱい飲んだからじゃない?

ほんとだって!


「ほらみんな、朝ごはん食べよ」


机の上にはホットケーキといろんなフルーツが置かれている。

なんか洋風だなー


朝食を食べたら、海に行く準備をする。

いちおうメガネは邪魔なのでコンタクトに変える。


なにせ、徒歩数分。水着に着替えて行く。

俺と優も着替えて準備をする。


「昨晩は随分とお楽しみだったみたいだね?」


「それはお前もだろ?」


「俺は何もやってなーい」


「一晩中成瀬と抱き合ってたやつに言われてもなぁー」


what?


優がスマホを見せてくる。

そこにはソファで2人抱き合って眠る姿が撮られていた。


「まじかよ」


「どーせ、お前らだって抱き合って寝てたんだろ?」


「最後の方気絶してたから記憶ない」


「まじかよ」


なんか狂気の事実判明したんだけど。


「まじ、あいつサキュバスかなんかなんじゃないかって」


呆れながら言う優。


「あはは…」


優の後ろを指差す。


「ん?」


振り返るとそこには女子組。


「だーれがサキュバスですって?優が弱っちいだけでしょー」


こわ、


「5回も耐えられるかよ。エロ漫画でもそんなにしねーよ」


なかなか地獄を味わってたらしい、これからこのネタでいじるのはやめておこう。


「あのとき、ゴムを用意しといて正解だったね」そんなことを雫さんが呟いていたのを聞いてしまったのはまた別の話…




「私たちの水着どーよ?」


「どーよ」


どうと言われても、この前一緒に買いに行ってるからな。


さやは、白のオフショルダービキニ。両肩が出てて肩に紐が通ってないやつ

二の腕までヒラヒラがついてるタイプのやつ。


花音はハイネックビキニ胸元が全部隠れてて首まで覆われてるやつ、これもヒラヒラついてる、二の腕にはないけど。下にはパレオをつけてる。


「いんじゃね?」


「優ざつー」


ぷんぷんと怒りながら優の横腹をつつく


「周どお?」


さやが見せてくる。


「似合っててかわいいよ」


「ん、よかった。」


顔を赤くしながら上にパーカータイプのラッシュガードを羽織る。


「そんじゃ、海行こ?」


このお話は打ち切り海へ各自荷物を持って向かう。


「おー。人結構おいねー」


「ここから左が海水浴場、右はサーフィンしていいとこだよー」


雫さんが教えてくれる。


ちなみに雫さんは胸元の開いた黒の紐ビキニにパレオを身につけている。


珍しく、結構波が高い。


「おー周。波結構あるんだな」


「それな、思ってた以上にある」


「ちょっと男子ー早く荷物置いちゃおー」


空いてるところに荷物をおき、パラソルを立てる。


「花音。さやちゃんと浮き輪に空気入れてくるねー。行こ!」


「ん!」


女子2人は海の家に空気をいれに。

男子はパラソルは立てたり。ボードにワックスを塗ったり各々準備をしていた。


「なあ、周。あれって花音たちだよな」


優の指差す方を見ると男の人に絡まれているさやと花音。


ワックスが手から滑り落ちた。


「行こっか」


「お、周が珍しく怒ってる。こわーい」



「いいじゃん。俺らと一緒に遊ぼーぜー?」

「彼氏と来てるから無理です」「ん、無理」

「でも、その彼氏いないじゃーん。そんな奴よりも俺らと遊ぼーぜ?」



男2人が花音とさやの手を掴む。


「ちょ、放してよ」「やめて」

「抵抗すんなよ」


「おーい。何、人の彼女に手出してんだ。おっさん」


いつの間にか優もイライラしてる。


「放せ」


目に圧を乗せていいはなつ。

こう言う時目つきが悪いのが役立つ。


「放せって言ってるだろ?」


男の腕を掴む。


「聞いてんのか?おい」


腕を強めに掴む。


「いったッ!何すんだよ」


「調子乗んなよ」


つかむ手に力を籠める。


「わ、わかった」


手を離す


「さっさと、消えろ」


「お、おう」


まったく、くそが…気分悪いな


「大丈夫だった?」


「ん、大丈夫」


「優そっちは?」


「こっちも大丈夫」


「周怒ると怖いねー、花音びっくりしたよ」


「ん、私もびっくり」


「それ言ったら、最初全然キレてなかったのに男の人が花音の腕握ったときの優のキレ方もなかなかだったよ?」


優の方へ話を逸らす。


「そんなことより、さっさと海で遊ぼーぜ?」


「おう」「ん」「うん」

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