対田中刑事・黒田刑事ペア戦2

 第2ラウンドが始まってから数分・・・・

俺は黒田刑事が撃つ弾を弾き続けている



 (パンッパンッパパパッパンッ・・・・!)

 黒田刑事がリズミカルに銃を撃つ

 (カンッカンッカカカッカンッ・・・・!)

 俺はそれを必死の思いで弾く


 さっきからこの繰り返しだ



 「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・」

 俺は息を切らしながら汗を拭う


 「・・・・・・・」

 手の平を見ると擦り切れてうっすらと血が出ている

 

 俺は再び鞘を握る

 「ッ・・・・!」

 手に鋭い痛みが走り鞘を握る力が弱まる

 

 「まだまだへばるなよォオ!!クソガキィイイ♪」

 そんな俺の様子をよそに、黒田刑事は上機嫌で言うと再び撃ち始める

 (パパンッパッパッ・・パンッパンッ・・・)

 「クッ・・・ソ・・・!!」

 俺は手の平の痛みを無視し、再び鞘を強く握り振る

 (カカンッカッカッ・・カンッカンッ・・・)


 「中々、やるじゃねぇか!次は地下に入るぞぉぉぉおお!!」

 黒田刑事は謎の言葉を発してさらに速度を上げて撃ち始める


 (パパパパパパンッ・・パパパパパパンッ・・パパッパッパッパッパッ・・・パパパパパパンッ・・・)


 「マァ"ンマミィャァ"ァ"ァ"ア"ア"!!」

 (もう、手の平なんか知るか!!)

 俺はやけくそになりながら鞘を振る


 (カカカカカカンッ・・カカカカカカンッ・・カカッカッカッカッカッ・・・カカカカカカンッ!!)


 「ハァ"・・・ハァ"・・ゲホッゲホッ・・ウォエ""・・・」

 「すげぇじゃねぇか!クソガキ!!まさかここまでとは・・・見直したぞ!!」

 黒田刑事が発狂気味に興奮する


 「よし、次は無敵だ!!逝くぞクソガキイィイィィィイイ!!」

 黒田刑事は興奮しながら再び引き金を引く――――が

 (カチッ・・・カチッ・・・)

 「・・・・・!!」


 弾切れだ・・・・・

 「チッ・・・せっかく、調子が出てきたのによ・・・・・」

 黒田刑事が機嫌悪そうに銃口を下に向ける


 黒田刑事が銃口を下げるのを見て、俺が思わず鞘を降ろしかけた時

 『勇兄!油断しないで!!』

 「・・・!!」

 エンの一言で俺は再び、降ろしかけた鞘を上げる

 

 「あら?油断しなかったの・・・?」

 俺の様子を見て黒田刑事は不思議そうな顔をする


 「この手に引っ掛からなかった奴は今までいなかったんだがな・・・でも一瞬鞘を・・・何か理由でもあるのか・・・?」

 そう言いながら黒田刑事は辺りを見回しエンの方を見て盛大に笑い出す



 「なるほど・・・」

 黒田刑事はひとしきり笑った後


 「えぇと、どうやるんだったかな・・・」

 そう言って黒田刑事がボディコンをいじり始め少しすると


 『これを使ったのか・・・』

 黒田刑事がトランシーバー機能を使って話しかけてくる


 『この機能を知っているのはボディコンの開発者か、通信機器ヲタもしくは軍部の奴くらいだ・・・そんな機能をごく普通の高校生が知っているとは思えない』


 黒田刑事がトランシーバー機能越しに推理を始める


 『まぁ、どうせエン坊の入れ知恵だろうが・・・んで、お前達はこの機能を使ってエン坊を司令塔として連携をとっていたと・・・』

 黒田刑事は1人推理を続ける


 「そして、確かにさっきクソガキは鞘を降ろそうとしていた―――――が途中で驚いた様な顔をして鞘を戻した・・・・・俺の戦闘スタイルをよく知ってるエン坊が警告したのか・・・」


 そう言うと黒田刑事はまた盛大に笑い、ひとしきり笑ってから大きく溜め息をつくと


 「全く成長したなエン坊・・・・」

 そう言うと黒田刑事の顔からさっきまでの嬉々とした表情が消え、無表情になり目から光が消える


 「こっからは容赦しねぇぜ?」


 

 




 




 

 

 

 


 

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