武器説明~昔の記憶~
「今回の演習について改めて説明する―――」
俺達が着陸してからしばらくして、空からやって来た田中刑事は俺たち4人に向かって話し始める
「最初に説明するとこの島は日本の領海の端の方に作った人工島になる、人工島だが食料については動物や植物を世界各国から適当に持ってきているのでそれらを自分達で採集・捕獲し調理するように―――そして」
田中刑事が目配せすると黒田刑事は大きな箱をどこからか持ってくると箱の中身を取り出し、俺達に手渡す
「何ですか・・・?これ」
俺は手渡されたものについて聞く
「これからお前たちが使う武器だ―――――お前たちは今日から軍人として國のために生きてもらう・・・その上で己の身を守るためにお前たち1人1人にあった武器を今回作らせてもらった」
そう言って黒田刑事は優の持つ銃を指さして大きく息を吸うと
「まず、お嬢ちゃんの持つハンドガンは特殊な超小型BB弾を単発・連射両方で射出できるよう改造し、高殺傷能力を持ちながら反動が少ない女性でも扱いやすい仕様だ・・・はぁはぁ・・・・」
黒田刑事は一息で説明し次に心一の持つ手袋と服を指さし再び大きく息を吸うと
「んで、筋肉バカが持ってるこれは超近接戦を目的に作られた物だ、この薄い服みたいなのは防弾防刃加工で近接戦でのダメージを減らしてくれる、そしてこの手袋みたいなのはお前のパンチ力を100倍まで強化出来る、そこのつまみを回して1~100倍の倍率を調節できるが、15倍からは体への負担が大きすぎて最悪死ぬから―――」
ここで、黒田刑事は真剣な顔になり心一の顔に近づくと
「絶対使うなよ・・・」
黒田刑事の気迫に押された心一がガクガクうなずくと黒田刑事は表情を緩め立ち上がり
「次にクソガキの刀についてなんだが・・・」
黒田刑事は頭をかく
「上から何も説明を聞いてなくてな・・・とりあえず鞘から抜いてみてくれないか?」
「はい・・・」
俺は言われた通り刀を抜くと
【&$#勇さんを確認、プログラム起動・・・・・勇さんのボディコンにアクセス完了データ送信を開始・・・・】
「うっ・・・!」
視界に無数の数字が流れる、視界が・・・・
目を開けるとそこには白い空間が広がっている
????「パパ、行ってらしゃい!!」
どこからか舌足らずの小さな声がする———声のする方向を向くとそこには顔の見えない母子がいた
????「あなた、行ってらっしゃい」
顔の見えない母親が俺に向かって話す
????「あぁ、行ってくるよ」
勝手に口が開き、どこか懐かしくも胸が締め付けられる声で俺は答え玄関を開ける、すると景色が変わり目の前には無残にバラバラにされた母親と心臓の辺りに包丁をさされた小さい頃の俺が転がっていた・・・・・
「グアッッ」
その景色を見たとたん激しい頭痛と共に意識が途切れる
「クソガキ・・・・・クソガキ!!!」
黒田刑事の大きな声と共に俺は目をさます
「黒田・・・刑事??」
「クソガキ!!気が付いたか!!」
黒田刑事がほっとした表情をする
「刀を抜いた瞬間、倒れ出すからどうしたのかと思ったぞ・・・体調は・・大丈夫か?」
「刀は・・・・?」
黒田刑事の言葉をよそに、俺は刀を探す
「刀なら・・・・ここに・・・」
優が刀を差しだす
「ありがとう・・・優・・・」
俺は刀を腰に差すと黒田刑事の方を向き
「黒田刑事体調は大丈夫です・・・田中刑事、演習を続けましょう」
「あ、あぁ・・・」
田中刑事はなぜか戸惑いながら返事をする
「それでは演習を続行する・・・注意事項として・・・」
俺は腰に差さる刀を見つめる
あの時見た景色、あれは紛れもない小さい頃の俺だ・・・・あの時俺は死んだ・・・じゃぁ、今の俺は・・・?どうして生きてる?誰が俺を殺した?
そしてこの刀は?
数々の疑問を抱えた俺をよそに演習は始まった
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