第2話 甲
「ねぇ~、先生昨日何か言ってた?」
「あっ、えっと、特に何も。」
「そっか~、私は葵夕。クラス一緒になるの初めてだよね?えっと名前は―」
「梯 貴音。」
「おっけ~。貴音くんって呼べばいい?私は葵夕。よろしく~。」
「いいよ。よろしく。」
それが彼女との初めての会話だった。第一印象は間の抜けた声で話す子。ゆったりとしていて、きっとオーラは黄色。明るいのに何故か1人でいことが多い。だけど、仲間はずれにされているわけでもないみたいだ。例えるならクラゲ。どこにも定着せず、漂っている感じだ。きっとマイペースなんだろう。
僕の高校の文化祭は5月にある。この時期にやるのはクラスを団結させるため、らしい。だから4月から少しずつ準備を始める。と言っても、誰も目標に沿ってやろうなんて人はおらず、スポーツ推薦とかで受験勉強がいらない人とかが文化祭実行委員をやる。当日は大学受験組が回すと言った感じ。僕は大学受験組なので準備はパス。当日のグループ割を待つのみとなる。
「貴音くんは受験するの~?」
「するよ。葵夕さんは?」
「ん~。するつもり。受かるか分からないけどね。えへへ。」
「そっか。」
それから葵夕さんは学校を休み続けた。
君の見ている世界の半分は 斎 @ReReSuicide
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