思考故の探偵

次の日、僕は学校を休む事にした。謎の熱中症のせいか身体に寒気を感じるし、それに色々と落ち着いて考えたくなったから。


まず、昨日の僕は焦り過ぎてた。よくよく考えれば、一人で”希望の門”に行くのは無茶が過ぎる。


友人が行方不明になったんだ。僕が一人突撃しても、同じ様にされる可能性が高い。


それなのに教会に行こうと思ったのは、きっと、あの本に書かれていた内容が衝撃的すぎたんだろう。


とにかく、今の僕には探偵さんの様な味方がいる。本の内容を説明して、、、説明できる?


もう一度、部屋に置いてある本を開いて読んでみる。やっぱり読める、僕の知らない謎の言葉が。


考えるまでもなく、この事は探偵さんに話せないだろう。この本に書かれている謎の文字が読めたなんて事は。


当然、”希望の門”が友人を生贄にする可能性があるという話もだ。


だから今は、探偵さんに本の話を伝え教会へ一緒に行く以外で、友人を助ける方法を考えなきゃいけない。


まず思いついたのが、警察などにこの本を見せる事だ。もしかしたら一人ぐらい、ぼくと同じ様に読める人がいる可能性がある。


問題は読める人がいたとして、助けに行けるとは思えない事。絶対、周りに説明できない感じがするし。


そう考えると、本の内容を説明してどうにかするのは無理だ。それ以外の方法を考えよう。


本以外で”希望の門”に誘拐されてる友人を助ける方法を。そうだな、、、思いつかないし、探偵さんに聞いてみるか。


彼なら僕よりこういう事の経験があると思うしね。


そんな僕の気持ちを察するように、ちょうど電話が掛かってきた。改めて、電話番号を交換しておいてよかったと思ってる。


『もしもし、君かい?”希望の門”の事で少し話があるんだ。』


「話って、”希望の門”が儀式をするという話ですか?心臓を取り出す様な。『、、、よく分かったね、その本に書いてあったのかい?』


「まぁ、そんな感じです。」探偵さんの話によると、”希望の門”が何か儀式をする準備をしているとか。


上手く話しを濁していたが、彼は中をコッソリと盗聴していたらしい。そして今日、ようやく話が聞けたとの事。


なんでも、今日はいつもより中が慌ただしく動いているらしい。いつもと違い人がどんどん集まってるとか。


『多分だが、中を調査するなら今日が一番だろう。何人も中に入って来てるから、ドアも開けっ放しだしな。


私はこれから中を調査するよ。これでやっと、調査も進展しそうだ。』「そうですか、それなら僕も一緒に行きます。」

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