断崖絶壁メイドロッパー

DarkPython<bl>

過去

第1話 崖の中の救世主

 それは日が沈む頃、一人の男子学生がたった今、崖から飛び降りた。一体どんな人生を送ったのだろう、辛かったのだろうか、未来に絶望したのだろうか.....

 目を覚ますと、それはまるで天国のよう。

目の前に映し出されたのは、ムードの良いライトを照らす一人のメイドと白衣を来た紳士がベッドの上で仲良く、くつろいでいた。

 ボクは中々お目にかかれない状況にここは天国かと心底興奮した。しばらくの間、まだ何が起こっているのか分からず。沈黙が続く。暫くすると、白衣を来た紳士がベッドを降り、近づいてきた。少し怖さを覚え、目線をらす。薄目で目線を向けると腰を下ろし、ボクに話しかけてきた。


「大丈夫か、怖かったろ」


「はい」


「生きてて良かったよ」


「ありがとうございます。ここは? 」


「タダの寝床だよ」


「キミの名前は? 」


能岐隼太のぎ しゅんた


「オレは近松晃大ちかまつ こうだい


「でもどうして? 」


「オレが究極のベッドを作ったからだ」


「どう言うこと」


「あれさ」


 そう言うと近松はそのベッドを見せてくれた。ちょうどボクが落ちた辺りだ。

 このベッドのおかげでこうして貴重な所を拝見できた。人生捨てたもんじゃないと思い直す。そんな時、後方からコトッ‥コトッ‥と足音が聞こえてきた。後ろを振り向くと、さっき居たメイドが立っていた。思っていたよりも接近していて、メイドから放つ香りまでただよってくる。ボクはもう一度前を向いた。

 すると、メイドは心配そうに声を掛けてくる。メイドの名前を尋ねると、小雨堂こさどうと名乗る。久しぶりの女の子だと思い、緊張感が増し、鼓動がひしひしと伝わる。

 メイドとの援助えんじょもあり、なんとか手続きを済ませて、今夜は泊めてもらうことに。

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