第5話- 薔薇人間
ある日彼が薔薇の鉢植えを二つくれた。
それとね、これが良い肥料なんだ と小さな瓶に入った液体をくれた。
試しに片方だけにその液体を与えてみた。
やがて彼に似て大輪の立派なバラが咲き、あげなかったほうは極普通。
液体の秘密を問うと、照れながら、これは僕の涙なんだよ、と答えてくれた。
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