元ホープの逆襲

@rt060410

何故元ホープとなったのか?上

新年早々のサッカーファンの楽しみと言えば皆さんはお分かりいただけるだろうか?そう高校サッカー選手権だ。あれは今から9年前冬の国立決勝だった。私の叔母がとあるサッカー強豪校の書写の先生をしていた為応援を全国大会の決勝に連れて行ってもらったのがこの高校を知ったいや好きになったきっかけだった。あの試合は小学生の私からすれば神秘的だった。キャプテンで10番の選手が試合終了間際にゴールを決め同点にし、さらに延長後半ロスタイムに2点目のゴールを奪い、チームの優勝をキャプテン自ら決めたのだ。あのピッチに立ち歓喜の真ん中にいるその選手は私からすればヒーローだった。それまでプロの試合を何度も見に行ったが、これほど興奮した試合はなかった。今となってはわかるのだが、プロと高校生の試合は全くと言って良いほど熱が違う。(ここで誤解して欲しくないのが決してプロが真剣にやっていないというわけではない。)それは応援している選手の魂をピッチで立っている選手は胸に抱きながら「負けない」という思いがワンプレーワンプレーに込められて試合をしている。そんな熱がこの時の私の心を動かしたのだ。

この興奮を味わってからは、「絶対あの高校に行って日本1になる。」この目標を達成する為に私は狂ったようにそれまであまり興味のなかったサッカーを朝から晩まで練習に明け暮れたそうこころに決め私は元々運動神経は良かった為練習量と比例するようにメキメキサッカーの腕前は上がっていったのだ。小学6年の春にはチームの中心選手として県ベスト4まで勝ち、私個人としても県選抜に選ばれるまでになった。

しかし今思えばここから私の人生の歯車は狂い始めたのかもしれない。調子に乗った私は中学もこのまま強いクラブに行けると思い込んでいたし、親もクラブに行くことに賛成してくれると思っていた。ここが甘かった。私の両親はエリート家系で両親ともに厳しい教育を受けて来ていた。ここで私の両親と祖父達の経歴を紹介しておこう。父親は小中サッカーの県選抜のキャプテンで強豪(私が憧れていた高校)からのお誘いを断り県内屈指の進学校に進学し、一浪して東工大を卒業し外資企業に就職し勤めている。父方の祖父は東大卒であり銀行の元役員であった。母は中学入試で大学の附属中学に進学しそのまま大学へ進学し日本の大企業に就職したが1年で寿退社し専業主婦となった。母方の祖父は大学の名誉教授で本も多数出版し祖母も元都知事の秘書である。これらを見ればわかる通り両親は勉強はできて当然もちろんスポーツもそんな考え方を持って育ってきていたのだ。

今思えば運動会のかけっこで一位を取っても何も褒められた記憶がない。もはや二位を取ったら怒られる。怒られるのが嫌だから頑張る。それが当たり前だった。

幼稚園で周りの子が運動会のかけっこをして三位で褒められているのを見てそれを私は不思議に思うくらいだった。

こんな経歴のある両親に育てられていたのに私はなんの疑いも持たずに「強いクラブに入って絶対あの高校に行く」と心に誓いサッカーをしていたのだろうか?

理由は簡単だ。

それほどあの試合は神秘的だったのだ。

その後県大会での活躍が認められ、県内でも一位二位を争う強豪クラブからのオファーがあった。

そのオファーは非常に魅力的で特待生として入団して欲しいとのことだった。しかしながらこのクラブの練習場は遠くとてもじゃないが通いながら勉強をできる距離ではなかった為教育熱心な母親は断固拒否した。父親はそこまで否定的ではなかったがかと言って乗り気な訳でもなく、母には頭が上がらない父は説得してくれるわけでもなかった。

そのため何やかんやしているうちに私が知らぬ間にその話は母が断っていた。

そのまま月日は流れ中学に入学した。

これで私は地元中学の部活でしかサッカーを続けることができなくなったのだが私の代は決して強い訳ではなくもはや初心者集団であった。それでも僅かながら救いであったのが先輩達は非常に高いレベルであったのだ。

中1から中2の夏までは私は非常に充実していた。先輩方には可愛がってもらい市総体準優勝、県総体優勝を経験させてもらった。今思うとこんな生意気な後輩をよく可愛がってくれたなぁと思う。

しかし中2の秋からが地獄の始まりであった。

今まで通っていたパスが通らない、プレースピードが周りが私に追いつかないなど今まで考えられなかったことが起きていたのだ。それでも私は低レベルな練習に頑張って彼らと練習を一緒にしていた。

こんなことが続いたある日

私はおかしくなってしまった....





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