元ブラック企業戦士、崩壊した世界で人生を謳歌する。
水草。
プロローグ
俺は
それと同時に多くの人が亡くなったり、消息不明になった。ただ、幸いなことに俺の周りの人間は巻き込まれることはなかったようだ。
こんなことが世界規模で起きたのだ。最初の数日は電気もガスも水道も繋がっていたが、しだいにそれも途絶えていった。
そんな絶望の溢れる世界になって変わったことがいくつかある。
1つ目は、人間に「スキル」や「ステータス」と呼ばれる力ができたこと。
2つ目は、「モンスター」と呼ばれる人間や他の動物を積極的に襲う化け物が現れたこと。
3つ目は、「ダンジョン」と呼ばれるモンスターの巣窟ができたこと。
まぁ、ありふれたゲームや小説の中のファンタジーな世界になったと言ってもいい。
こんな世界になったきっかけは1週間ほど前のことだろう。
♢♢♢
「はぁ、やっと案件終わったァ。今からならギリ終電まにあうか。」
「おう、おつかれさん。俺はまだ帰れねぇわ。今日は徹夜ルートかもしれねぇ。」
「おつかれさんだな。まぁ、俺も今日で30連勤だったがなw」
「「ははっ。」」
同期とそんなことを言いながら、俺は荷物を持ち会社を後にした。
家に着いたらすぐさま向かうのは冷蔵庫。明日は久しぶりの休みである。浴びるほど酒を飲んで気を楽にしたい。缶ビールを取り出し、ソファに座って飲む。うちの会社はブラックだが、給料だけはしっかり出るのが取り柄だ。使う暇もないので、ただただ溜まっていくのである。そのため、貯金はそれなりにあるし、住んでいるところもボロアパートとかではなく、しっかりとしたマンションの一室だ。
「さて、明日は久々の休み!飲みまくってやる!」
そんなことを言いながらスマホを片手にビールを飲み続ける。
しばらくすると、酔っ払ったお兄さんの完成だ。
完全に出来上がった俺は、ネットの海をぶらぶらと渡り歩く。
しばらくすると俺は、酩酊した意識の中、不思議なサイトにたどり着いた。
「先着おひとり様限定!成長系チート5種セット」
と書いてあるよく分からん商品を売るサイト。
それを出している会社は「世界改変委員会」とかいうまるで意味のわからない名前の初めて聞く会社だった。
その商品の説明には、「先着おひとり様限定!成長系チート5種セット。これを誰かが使用した後、この世界は改変されます。何といつもは1万円のところ、今回だけ90パーセントoff!1000円での販売です!」などと書かれている。
「スキルぅ?なんだそのゲームみたいなのはwおもしろいじゃねぇか。買ってみようじゃないか。」
酔っていた俺は何を血迷ったのか、勢いに任せ、購入手続きを進めてしまった。
最近は忙しすぎてできていなかったが、俺は生粋のゲーマーだった。今務める会社に入ったのも、自分のゲームを作ってみたかったからだ。そんな俺はやはりゲームのような世界にはあこがれてしまうのだ。
「支払いが完了しました」
という旨のメールが届いたのを確認した後、俺はそのまま崩れるように眠ってしまった。
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新連載です。
面白かったら、ぜひもう一つの方の作品も読んでくれると嬉しいです。
そっちは異世界ファンタジーモノです。
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