悋気(りんき)

桐戸

序章

第01話 序言

 悋気(りんき) 男女間のやきもち、嫉妬の感情を表す言葉。嫉妬が様々な対象に使われるのに対して、悋気は男女間の嫉妬に限定されて使われることが多い。


 ■××市内のホテルの五階から二十代の女性が転落死■

 十二月二十四日午後五時二十分ごろ、××市内のホテルの五階客室のベランダから二十代の女性が転落し、病院に搬送されましたが死亡が確認されました。同じ客室には二十代の男女二名がいて、警察は被害者とその客室の女性との間で何らかの争いがあり、その末に突き落して殺害した可能性があるとして、緊急で逮捕し事情を聞いています。現場は街の中心部でクリスマスイブということもあり人通りも多く、突然の事件に多くの通行人が足を止め、騒然とした雰囲気となっていました。


 これでこの半年間私を支配していた異常なまでの悋気から解放される・・・

ベランダから驚嘆の表情を浮かべて下をのぞく二人の顔がどんどん遠くなっていく。

 落ちていく速度が加速し気が遠くなる中で、


   私は至福と解放感を感じ、


      ・・・ごんっ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る