第3話 師匠と弟子

次の日、、、


・「ドンクのおっちゃん、おはよう!」


・ドンク

「おぅ、ニュートか。

おっちゃんじぁねぇだろ、師匠と呼べ!」


・「うっ、そうだった。

師匠、おはよう。」


・ドンク

「おぅ、おはよう。

昨日はよく眠れたか?」


ドンクの手配でギルドの宿場に泊まれる事となった。ニュートは早速出来た拠点に喜んでいた。


・「今日から、宜しくお願いします。」


・ドンク

「おう、宜しくな。

早速だが、お前には銅鉱を取って来てもらう」


・「銅鉱?

たしか、ブロンズインゴットの素材だっけ?」


・ドンク

「そうだ、よく知ってるな。

出来るだけ取ってこい。

この鞄を持って行け。

そして、これが現物だ、、

コイツを見ながら取ってこい。」


ドンクはニュートに、アイテム鞄を渡す。

ニュートは銅鉱を暫く眺める。


・「わかった。

早速行ってくるよ。

採掘場所はどこだ?」


・ドンク

「糸草群生地の奥だ。

採石場がある山の裏側にポイントがある。

後は行って確かめてこい。」


ニュートはつるはしを持って採石場に向かう。

肉屋のドーンに昔から色々教えて貰っていた為、迷うこと無く採石場までたどり着く。


・「たしか、、、

岩小僧が居るってドーンさんは言ってたな。

レベルも上げないと行けないから、倒して行こう。

まずは確認だ。」


ステータス

レベル7

筋力 56 +52

知力 38

俊敏性 54  +78


体術レベル 6 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3

龍鱗の小手 筋力+50 俊敏性 +75


・「装備のお陰でかなり強くなってる。

ありがとう、父さん。

よし、、、やってやる。」


ニュートは周りの気配を探りながら進んでいく。

『慎重に気配を探れば違和感を感じる時がある。

そこには必ず何かがあると思え。

人間の悪意も違和感として感じられる、

怖いと感じた時は必ず逃げろ。』

ドーンの教えである。

ニュートはずっと続けてきた、お陰で近くに来れば魔物の気配が分かる様になっていた。


・「そこだ!」


ニュートは、岩に殴りかかる。


ドカッ!


ギャワー


岩小僧が現れた。


・「よし、何となく気配がわかるぞ。

ドンドン倒してやる。

せぃ!」


ドゴッ!


・岩小僧を倒しました。


・「よし、楽に倒せる。

この小手のお陰だな、、

見掛けたら狩って、銅鉱メインで探して行こう。」


ニュートは一生懸命に掘る、狩る、掘る。

あっという間に鞄が一杯になる。


・「よし、一度ギルドに戻って出直しだ。」


ニュートはギルドに向けて全力で走る。


信じている人の教えに限りだが、、、

師匠の教えをひたすらにこなす。

そして、何か意味があると考えつつ続けられる。

これが、ニュートの生まれ持った才能だった。

ひたすらに、ギルドに戻っては銅鉱を取りに行って帰ってくる。

5往復する頃には、ニュートの真面目な姿勢と勤勉な態度にギルド員達との壁は無くなっていた。

そして、6往復目を行こうとした時、、


・ドンク

「ニュート、そろそろ次の作業を教えるぞ。」


・「はい、お願いします。」


ドンクは笑顔になる。

素直な弟子が出来たことが嬉しい。


・ドンク

「よし、じゃあこれから加工を教える。

お前は何属性だ?」


・「多分、属性は持っていない。

ステータスにも書いてないし、、、

父親が無属性だったから。

でも、親父も無属性で冒険者だったんだ。

だから俺も諦めたりはしない。」


・ドンク

「そうか、、、

属性がなくても努力すれば作れる、安心しろ!

必ず俺がお前を導いてやる。

良いか?大事なのはイメージ力だ。

完成品のイメージに近づける為に魔力を使う。

素材を用意し、完成品のイメージ。

魔力を素材に流し込み、、、

素材の内側から加工していくんだ。」


・「内側から、、、やってみる。

えっと、完成品を見てイメージする。

魔力を、、、、魔力を、、、、

師匠、、、、魔力ってどうやって出すの?」


・ドンク

「今まで魔力を使った事無いのか?」


・「うん、使った事無い。」


ドンクは暫く考え込む。

無属性なら今まで使って来なくて当たり前か、、

だが、無属性だからと諦めたりはしない。

弟子が諦めていないのだから。


・ドンク

「そうか、なら仕方ないな。

魔力の操作を得意とする奴を連れてくるからちょっと待ってろ」


・「わかった。

完成品を見てる。」


暫く待つと、大きな影が現れた。


・「魔物っ!」


・サリーヌ

「誰が魔物よ、誰が!

失礼しちゃうわ。」


ドンクがサリーヌを連れてきた。


・ドンク

「サリーヌ、悪いがこいつに魔力の動かし方を教えてやってくれ。

属性変換は出来ないが、その分操作を集中してやって欲しい。」


・サリーヌ

「ん〜、まだまだお子ちゃまね、、、

気が乗らないわ。」


・ドンク

「そこを、なんとか頼む。」


・「宜しくお願いします。」


ニュートもドンクを見習ってサリーヌに頭を下げる。


・サリーヌ

「へぇ、躾はしっかりしてあるのね。

そうね、、まだ熟す前の青い実も、、

たまには良いかもしれないわね、、、」


ニュートは寒気を覚える。

何故だかは判らないが、、、

本能が逃げろと言っている。


・ドンク

「サリーヌ、任せたぞ。

ニュート、、、、気を確かに待てよ。」


ドンクは部屋から出て行った。

ニュートの鼓動が速くなる。

まずい、、まずい、、


・サリーヌ

「さあ、始めましょうか、、

こっちへいらっしゃい。」


ニュートは全力で扉まで走るが、、、

途中で捕まり後ろを取られる。


・「なっ、速い、、、

ぐっ、、、う、動かない、、」


・サリーヌ

「さあ、力を抜いて、、、

アタシ(魔力)をしっかり感じるのよ?

いくわよ、、、」


・「やめろぉぉぉ、、、」


部屋の扉の前


・ドンク

「すまねぇ、ニュート。

だがライオットも通った道だ。

お前なら乗り切れると信じているぞ。」


そこには、弟子を信じる師匠の姿があった。

部屋の中からは時折りすすり泣く声が聞こえていたと言う。

そして、夜になる頃、、、

やたらと艶々したサリーヌが出てきた。


・サリーヌ

「ふぅ、、、食べず嫌いはダメね。

次回からは青い果実も堪能する事にしましょう。」


ドンクが慌てて早に入る。

すると、ぼーっとしているニュートを見付ける。


・ドンク

「ニュート、、、ニュートぉぉぉ!」


・サリーヌ

「何してんのよ!失礼しちゃうわ。

何もやましい事なんてしてないわよ?

ちょっとだけ優しく囁いてただけじゃない。」


プリプリしながら2人を見詰める。

ドンクはサリーヌに対し、優しく囁いてくる破壊力が計り知れないんだよ、、、

そう言いたかったが言えなかった。


・「ド、ドンクさん。

俺、俺、、、生きてる、、」


・ドンク

「あぁ、良く頑張ったな!

偉いぞ、ニュート。」


可愛い弟子の頭を優しく撫でる師匠。

ニュートは無事であった事に涙した。


・サリーヌ

「ちょっと何よ、失礼しちゃうわ!」


更にプリプリしながらサリーヌは去って行った。


ドンクはニュートを労いう。

ニュートはドンクに感謝した。

こうしてギルドの夜は深けて行く。


ステータス

レベル10

筋力 73 +52

知力 41

俊敏性 70 +78


体術レベル 9 補正レベル1 筋力 2 俊敏性 3

龍鱗の小手 筋力+50 俊敏性 +75

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