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それから数分後、公式ホームページからたどるような形でバーチャルドライバーをインストールした
(プレイの方は、マウスだけ?)
スマホアプリであれば、基本的に画面をタッチするという操作方法がメインだろう。
こちらはパソコンにインストールするタイプのゲームという違いがある。スマホ版も出ていそうだが――。
操作ヘルプを閲覧していたアスナは、操作に使うのがマウスだけと聞いて驚く。自分のノートパソコンはタッチパネル形式ではないので、当然と言えば当然の反応だが。
(オープニングも簡素なものだったし、もしかして未完成?)
ゲームを始めて数分、特にオープニングなども実装されておらず、ゲームタイトル表示後、そのままマウスクリックでゲームが始まったような感じである。
アスナは、ここまで簡素なゲーム画面を見るのも珍しいと感じており、未完成かロケテスト中の作品である可能性を疑う。
次の場面は、メインフィールドのような場所に出てきたようだが――。
(普通はプレイヤーネームとか入力を要求されそうだけど)
アスナはステータスの確認を行おうとヘルプを見ながら探すのだが、それっぽい項目がない。
仕方がないので、メインフィールドを散策して次の目的に関して調べることにした。場所に関しては、何処かで見覚えもありそうな光景だが――。
アスナはゲーム画面という事は分かっているものの、周囲の光景を見て別の意味で何かに気づく。
(これって、もしかしなくても――)
ビルのスポンサーが微妙に違っているなどの違いはあるものの、その光景とは埼玉県草加市だった。
過去にリアルで実在の都市を再現したようなゲームは存在したが、それにも負けないほどの再限度である。
一方で、パソコンの容量的に大丈夫なのか――という懸念もあったが、特に動作が重くなっていないので問題はないようだ。
スポンサーがそのままではないというのは、もしかしなくてもクレーム対策という可能性も否定できないが、その辺りをアスナは気にしない。
「おやおや、これは奇遇というべきか?」
アスナがエリア散策をしている中、声をかけてきた人物がいる。
声をかけてきたといっても、実際にボイスが流れるわけでなく、アバターにふきだしが表示される形式なのだが――。
アバターの外見は、明らかにSFテイストの物であり、デフォルトのアバターというわけではない。
もしかすると、こうしたカスタマイズは一種の課金要素なのではないか、とアスナは思っている。
(奇遇と言われても、会った覚えはないのに)
アスナは目の前に姿を見せた人物が声をかけてきたことに対し、誰かの間違いなのでは……という箇所を疑う。
しかし、向こうも名前呼びをしていない関係上、誰かと間違えている可能性も否定できない。
しばらくして、どういう風にリアクションを取ればいいのか考えたアスナだったが、ヘルプを検索し、ふきだしの個所をマウスクリックする。
その後、返信を行うという感じの表示がされるのだが、様々な注意書きも一緒に表示されている。
もしかしなくても、特殊詐欺などのツールに悪用されるのを防ぐ意味合いがあるのだろう。
(その昔、出会い系のような使われ方をしたような時代もあったけど)
時代によって、インターネットという特殊性もあってか、様々なトラブルが後を絶たなかった。そして、様々なルールが作られ、現在に至っている。
当然だが、バーチャルドライバーも犯罪に悪用されないように運営側がパトロールをしている個所もあるだろう。
【そういえば、バーチャルドライバーはイースポーツ対象タイトルではないようだな】
【そうだったのか?】
【ジャンル的には対象になっていると思ったが】
【色々な箇所で工事中の個所もある以上、未完成と判断されたのだろうな】
【しかし、最近のイースポーツ対象タイトルはジャンルが偏りすぎている】
【だが、全てのジャンルがイースポーツ向きではないだろう】
【アドベンチャーゲームの早解きを見て、それで観客が盛り上がるのか?】
【バーチャルドライバーのジャンルは、確かFPSのはず】
【ジャンル的には問題がない、という事か】
バーチャルドライバーもイースポーツタイトルではないのだが、対象タイトル入りを目指して動ているようだ。
しかし、SNS上では様々な意見が存在している。ジャンルとしてはFPSらしいのだが……。
アスナもジャンルに関しては確認していたようだが、それはあくまでも二の次である。アスナにとって重要なのは、別にあった。
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