エピローグ
エピローグ
ここからは後日談だ。
俺が目覚めたときアーマデウスさんとかマシス爺ちゃんとかも飛び込んできて、俺が目覚めたことを喜んでくれた。
で、なぜか俺の足が治っているのを見て首をひねった。
この時神様に直してもらった。とか言えばよかったんだが俺も馬鹿正直に『神様に治し方を教えてもらった』とか言っちゃったもんだからさあ大変。
俺が回復魔法っぽい何かが使えることを知ったマシス爺ちゃんは高らかに宣言した。
「お前さんは今日から儂の弟子じゃ」
これは決定事項で揺るがないらしい。
俺はアーマデウスさんとマシス爺ちゃんから武術と医術を教わることになった。
マシス爺ちゃんていうのは大医王とか言って、ものすごい回復医術の名人なんだそうだ。それで先代の国王の親友で戦友。
現在の国王の師匠の一人。
なんか昔すごい功績を上げて貴族に列せられ、そしてその医術のうでを買われて『特務公爵』とかいう地位にいるらしい。
これって特務大尉とかと同じようなものみたい。
治療行為に関しては国王の次に問答無用で偉い。という地位らしい。なので特務公爵。
でこの辺りは爺ちゃんの領地だ。
別に本当の領地というのでもないらしいんだ。
ぶっちゃけ王家の直轄地のような場所で、支援の責任者が爺ちゃんということになっているからここも名目上マシス・ノバ特務公爵の領地という扱いになる。
でなんでこういう話をしたかというと俺がぶっ倒れている五日間でかなり激動の変化があったからだ。
まず門番の二人が処刑された。
えぇぇぇぇっ、てな感じでびっくりだ。
「あやつらは公爵家からの禄をもらって門番をやって居った。言ってみれば公爵家の兵士じゃ。公爵家の兵士が民を見捨てて逃げるなどあってはならんことじゃ」
つまり敵前逃亡で銃殺、みたいなやつだった。
これが村人のボランティアとか、持ち回りとかならまあ、仕方がないという話になるらしいのだが、プロが守るべき民を見捨ててはだめ。
ここら辺は村長が少しでも公爵家から金を搾り取ろうと知恵を絞った結果だったらしい。
完全に裏目ったな。
その村長だが、こちらも死んだ。
あの事件の後、誰が封印石を壊したか。という話になったらしい。
その時に村長が『村の無能者のリウがやった』とか言い出したらしいのだ。
だけどその時俺はアーマデウスさんと一緒だったし、俺にはほとんどの時間誰か彼かが付いていたから俺でないことは明白。
つまり村長は嘘をついているわけだ。
みんなも知っている通りやったのはクラシビア少年だったから多分庇おうとしたんだよね。でもこれも裏目に出た。
何も知らないならそもそも嘘をつく必要もないわけで、嘘をつく以上何かを知っている。
すぐに拘束され、村長宅の座敷牢に閉じ込められ取り調べを受けることになったのだ。
「お前は誰があれをやったか知っているだろう」
てなもんだ。
かたくなに黙っていた村長だったが転機が訪れる。
それが門番をやっていた村長の息子二人の処刑。
息子二人の死を告げられた村長はその日のうちに『自分が封印石を壊してしまった。申し訳なかった』と遺書を残して首を吊ったのだった。
マシス爺ちゃんは知ってか知らずかこの段階でこの調査を打ち切った。
多分最初の段階で嘘をつかなかったら問題にしたりはしなかったのじゃないか。と俺は思うね。
そして残された嫁さん二人とクラ君は村を出ていったそうだ。
この村では暮らしにくいだろう。
嫁さんの実家は別の村なのでそこを頼っていくといっていたそうだ。
まあ、がんばれ。人生これからだ。
さて、あのタタリが封印されていた洞穴だが…なんと迷宮になってしまった。
長年染みついた澱んだ魔力があそこをゆがめてしまっていたのだ。
迷宮というのが何かという話になるんだが、これはよくわからない。でも狂った魔物が際限なくわいてきたりする不思議空間。
いろいろな不思議現象の起こる怪奇空間。
つまり迷惑スポット?
一度こうなると常に狂った魔物を退治し続けないと外にあふれだしたりするらしいので大変なようだ。
まあ、悪いことばかりじゃない。
迷宮には魔石がある。
魔力を帯びた石だな。
これが実にいろいろ役にたつ。
他にもミスリルとか魔鉄とかの魔法金属なんかも採掘できる。
いい稼ぎになるらしい。
冒険者の稼ぎ場だな。
というわけでこの村にめでたく冒険者ギルドができることになりました。
初代ギルドマスターはなんとアーマデウスさん。
マシス・ノバ特務公爵の肝いりだ。
「見たところ魔石的にも有望だし魔力水が豊富だ。冒険者たちが集まると思うのである」
とか言ってた。
で、そのアーマデウスさんだが、なんと、なんとなんと、お母ちゃんと結婚することになった。
きゃーーーーーーっ!
まあ、最初からちょっといい雰囲気だったし、俺が倒れている間にそれは忙しく働きつつもお母ちゃんへの気遣いを欠かさなかったらしい。
お母ちゃんは『リウしだい』といっていたが、まあね、お母ちゃんも若いし、子供の世話ばかりではないだろう。
それに俺ってば師匠ズのせいで忙しくてあまりお母ちゃんにかまってあげられないからね。
ここらでお母ちゃんの幸せを考えるべきなんじゃなかろうか。
中身がガキじゃないからな。
公爵様も当分はここに住み着くというし、きっとこの端っこの村も発展していくのだろうと思う。
まあ、とりあえずはこんなところだな。
俺は師匠二人に指導を受けつつ将来のために努力、努力の毎日だ。
できればまったりした毎日になるといいなあ、なんて思うけど、まあ、それはその後の展開として、とりあえずはこれにて一巻の終わり。
機会があったらより成長した俺のことを話したりしようかな。なんて思うけど、さて、どうなるか。
もしまた会えたら応援してくれ。
じゃーなーーーーっ
《じゃーなですよーーーっ》
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