カルマ編 世界を壊しても
僕はカルマ。アルマという存在から分岐したイレギュラーな世界。何が起こったか、それは僕の姉さんの方が年上なことだ。過去の記憶通りなら僕が兄のはずだったが何の運命か逆だった。そんなことを知ったのも姉さんの笑顔が消えてからだった。
「姉さん…」
姉さんの表情はいつの間にか虚ろになっていた。そんな姉さんは見たくなかった。
研究の結果、僕は自分たちの運命を知った。それが皮肉かのように僕に突き刺さる。
「僕は…どうすれば…」
そんな時、誰かの声が聞こえた。
「運命の時…全て…消え…時は…」
途切れ途切れに聞こえたその声に僕は藁にも縋る思いで抗った。
別世界を渡り歩き、僕もいつの間にか冷徹な性格になっていた。時には世界が消えるところに出くわしたこともあった。そこには母親らしき女性と女の子がいた。僕は女性の力を奪った。これが他の世界だ。どうあがいても消える運命だ。どうせ消えるなら僕達イレギュラーの力になるのが運命からの救済だ。
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