舞台:悪因悪果(登場人物編)
本当は、登場人物全員それぞれ語りたいんですが、文字数が大変な事になるのでストーリー進行で大事になってくる大清陣営サイドについて書いていきたいと思います。
なお、ここで書いている内容は完全に個人的解釈ですので、間違っている部分がかなりあると思います。
実は、本作は物販で台本が販売されていましたので所持していますが、あくまで当時の記憶を頼りに書いています。
Twitterで『悪因悪果』で検索すると、運営さんのアカウントが出てきますので、そこから公式HPに行くと登場人物の関係図とか出てくるので、詳しい関係性は調べてみてください。
【大清 信勝】
この作品の主人公であり、兄の悪因に巻き込まれ無意識の内に自ら悪因を作ってしまい、膨大な悪果が待ち受ける事になる。
冒頭では、光永が人を殺そうとすると一瞬止めようと身体が反応したり、目を背けてしまう優しい一面が見受けられる。
しかし、領主の座が光永から信勝に移った際に、周囲から褒められていた兄を手本としどんどんと狂っていく姿が描かれているのですが…。
狂い方が公演回数を重ねるごとにどんどん差が広がって、目を逸らしたくなってしまう時もありました。
前半の部分では、村人であろうとも身分に関係なく命を大切にする性格だったのに、それこそ虫けらみたいに扱う姿を見ていたくなくて…。
よく、『兄の背中を見て育つ』って言いますけどね…。
前半あたりで光永が佐助に対して『義弟の盃を交わしてもいい』的なこと話すシーンがあるんですけど、信勝も後半で似たようなシーンがあるんです。
似たシーンなんですが、光永の時は恐らく深い意味もない発言だと思うんですが、(わざわざ公言するなら、既に忠誠心が明確な佐助よりも、信勝に恩を感じている國光に対して言った方が効果的だと思われる)信勝の場合は、徳永の部下が暗殺の真実に気づき、隠蔽する代わりにと持ち掛けられるのですが…。
その事を利用してまた一つ罪を重ねるわけです。
この作品のクライマックス(悪果)は、信勝個人のものではなく色んな人の悪因だったり圧力に歪められた結果なのでしょう。
【大清 光永】
信勝の兄。
この作品で1番多くの悪因を生み出している。
恐らく、一番最初の悪果は徳永が暗殺された事。
あまりにも悪因が多すぎて、どの悪果がいつの悪因から派生したのかわからなくなる。
それぐらい沢山の事をしてしまった。
徳永暗殺の計画を、信勝側の策によって“兄殺し”という罪を背負ってしまう。
追われる身になってしまった光永が辿り着いた場所は、冒頭で襲った九頭竜村。
村人達は、もちろん光永の事をすぐに受け入れられない。
立場が逆転した事で、散々酷い事をしてきた光永は少しづつ改心していきます。
最終的には信勝軍に居場所がバレてしまい、村が襲撃される可能性を考え全員逃がす。
最期、弟の信勝と一騎打ちする際に今までの思いをぶつけ合う。
狂ってしまった信勝の心にも、ちゃんと思いは届くのだが時すでに遅し。
この時、光永の死に方が公演日によって違うんですよね…。
落雷から信勝を守って…とかの日もあった気がします。
【徳永】
光永達の義理のお兄さん。
舞台で描かれている部分だけを見ると、この人は悪因を作っていないが光永の悪果・信勝の悪因のきっかけになってしまった。
徳永の台詞から、父君は心の優しい方だったのだと思われます。
比較的、平和志向の人物ですが光永は暗殺事件の日まであまりよく思っていないみたいです。
それは、周りが(光永よりも年上・立場が上の人物)悪く言うのを日々聞かされていたからなのでしょう。
私の解釈が間違っていたら申し訳ないのですが、光永達兄弟とは腹違い…であっているのかな?
光永と杯を交わすシーンでは、毒を盛られていないか警戒する光永に対して、グイっと呑みほして見せる。
暗殺された時も、目の前で銃を手にしている光永に対して早く屋敷から逃げるように伝えます。
ほんとに…この人はどこまで優しい方なんでしょうか。
光永は発砲こそしていないけれど、銃を手に持っているんですよ?
【椎名 佐助】
これは、あくまで私の主観ですがこの舞台の中で数人しか存在しない、『悪因も悪果も生み出していない人物』の一人だと思いました。
私には、ホントに彼の悪因が見つからない…。
光永の存在が絶対で、彼自身もそうですが彼の愛している存在も含めて全て護衛の対象なんだろうな…。
ただひたすらに、光永・信勝・國光の悪因と悪果に振り回されている印象です。
佐助の最期のセリフから、光永に心が囚われてしまっている印象も受けましたが、それは前半部分で「義弟の杯を交わそう」的なことを言われた時の事。
条件は、弟の信勝を越えることが出来たら。
あの時、一瞬浮かべた嬉しそうな表情は今でも忘れられません。
そして、その様子を眺めながら複雑そうな表情を浮かべる信勝のことも…。
後に、この忠誠心が悪用されるなんて思いもしませんでした。
光永に認めて貰うためなら真っ直ぐに頑張れる子。
唯一、誰かの悪因になってしまってもおかしくないと思える出来事は、檀丸を殺した光永軍に対して憎しみに燃えている右丸を追って戦った事。
この出来事は、右丸に対して悪因になってもおかしくは無いが、2人が戦った際に言葉を交わしており、右丸にとって佐助に対しての憎悪がこの時薄れたのでは無いかと思います。
話し合いって大事ですね。
彼はあまりにも純真で、真っ直ぐすぎるため計画を知っている國光が、光永側から信勝側に移るように助言をしても、芯を曲げずに光永にのみ忠誠を誓っている。
信勝にとって佐助は、自分の命令を聞いてくれないので、牢に入れさせられ拷訊隊からの拷問を受ける。
けれど、食事を抜かれようと身体中に鞭の痣が残ろうとも光永への忠誠心は忘れない。
しかし、信勝が奥の手として捕えていた紅姫の姿を佐助に見せ、無理矢理従わせる。
そして、最期には信勝の命令によって光永と直接戦うことになり、命を落とすんです。
……あ。
彼個人の中で完結する悪因と悪果…ありました。
それは『信勝を超えられなかった事』
そうか…そうだったのか。
彼は、誰か他者に対して悪因を作ってはいないかもしれないけれど、己自身に植え付けられたのは『信勝を超えれば認めてもらえる』という希望。
けれど、超えられなかった事によってそれは、光永と戦う事に繋がり彼を護るための刃を彼自身に向けなければならなくなった。
佐助にとって、光永に斬られる最期というのは強くなれなかった自分への悪果なのかもしれないですね。
【國光】
この人は、全てを闇に包んでいるので、考察のやり甲斐はあるけどとても大変。
作品の序盤では、まだ領主の光永に遣えているが忠誠心は信勝へ。
光永にとっての悪果になる、徳永暗殺を兄殺しに仕立て上げる策を練ったのは、信勝では無く國光ではないかと私は思ってます。
この段階では信勝も完全に堕ちてはいないと思いますし…悪魔の囁きってやつですかね。
口数は少なくどこか鉄仮面みたいな部分はありますが、佐助の事をとても気にかけていて、極力自分達の悪因(光永にとっては悪果)から遠ざけようと助言しますが、ブレることの無い佐助の“光永様への忠誠心”によって不発に終わってしまいます。
國光は、最初から最後までずーっと信勝の駒だったんだなと思います。
佐助は最期、形はどうであれ忠誠を誓った光永に斬られ、彼の腕の中で眠りにつきましたが、一方で國光は信勝の手で首を斬られそのまま放置されてしまいます。
ただ、この國光の最期に関しては普段無欲に見える彼の欲(信勝に認めて欲しい・誉められたい気持ち)が出てしまった結果でしょう。
基本的に、國光は受動的で誰かの指示で動くので、普段の國光だったら身勝手な行動はしないと思うんですよね…。
もしかしたら、『邪魔者の居ない、信勝と二人だけの世界』…理想郷のビジョンがチラついてしまったのかな。
『村人や右丸を斬殺し、光永を斬った』という事実に。
しかし、その時は信勝と光永が2人だけで刃を交わしていたし、光永が信勝に改心する様訴えていた時でした。
その後國光に声を掛ける者もおらず…。
ホントに、佐助と國光は対照的だなと思いますが、これも日頃の行いというものなのでしょうかね。
と……いうわけなのですが。
さすがに、約5ヶ月前の記憶というのは曖昧で困りました。
円盤が届いた時に確認しておきたい事を、記録として残しておきたいのでもう一回だけ投稿します。
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