そして君は振り返った
黒猫B
第1話
「真波」
後ろから、私の名を呼ぶ声がした。
しかし、私は振り返らない。
もちろん、振り返りたくて仕方ない。
早く彼の顔を見たい。
でも、振り返ってはダメなのだ。
私は手元に握られた1本の瓶を見つめる。
ゴシック体の5文字の漢字が、無機質に刻まれた茶色い瓶。
その中には白い錠剤が入れられていた。
それは、私が開発した魔法の薬。
腕時計をちらりと見ると、時刻は11時50分。
もう間もなく完成だ。
「真波」
再び、彼の声。
そう。
今、私の後ろには、大好きだった彼がいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます